<9つの対策>があなたの「認知症」を防ぐ~教育・肥満・難聴・喫煙などで35%予防可能

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最もリスクが高いのは「中年期の難聴」

  

 この報告を受けて、私たち自身が認知症予防のために実行できることは少なくないはずだ。

 前述のように、今回、認知症のリスク因子として特に重要とされたのが、「①教育レベルの低さ(8%)」「③中年期の聴力低下(9%)」「⑨喫煙(4%)」の3つだ。

 「教育レベル」とは、人生の過程で頭を使うことによって蓄えられる「認知的予備力」に関係する。もし脳に何らかの病巣ができたときも、認知的予備力は脳の機能の維持に貢献してくれる。

 その意味において、中等教育を修了しないことは大きなリスクと判明。そのうえで論文の著者たちは、大人になっても学び続ければ脳の「予備力」を増やせる可能性が高いと述べている。脳の健康維持には、中高年になっても知的な活動を続けることが大切なのだ。

 そして今回、最大の驚きは、認知症のリスク因子としては比較的最近、注目され始めた「⑨難聴」を最も大きく評価した点だ。中年期に聴力が低下すると、周囲から通常受け取る情報が得られにくくなり、社会的に孤立し、「④うつ」になる可能性も高くなるという。

 2015年に日本補聴器工業界が行った調査によると、聴力に問題を感じている人は18歳以上の13.1%にも上る。認知症リスクについてはさらなる研究が待たれるが、現時点で「聞こえ」に不安を抱えている人は、耳鼻科で一度検査を受けておく方がよいだろう。
 
 もうひとつ言えるのは「心臓や血管によいことは、脳にもよい」ということだ。「⑨禁煙」はもちろんのこと、「⑥運動や健康体重の維持」、「⑧高血圧」や「⑤糖尿病」の治療はすべて、心血管系の病気やがんだけでなく、認知症のリスク低下にもつながる。

若いうちから認知症予防策を心がけよう

  

 なお、以前から認知症との関係が指摘されている「食事」「飲酒量」「視覚障害」「大気汚染」「睡眠」についてはエビデンスが不足しており、今回の声明には含まれていないという。もしこれらの検討が進めば、予防可能な認知症はさらに増えるのではないだろうか。

 声明では個人レベルの取り組みだけでなく、国や政府機関が公衆衛生の向上政策として取り組む必要もあると指摘。中等教育の修了率を高める、聴力検査を継続的な健康診断として提供するといった介入に乗り出すよう要請している。

 認知症の罹患を少しでも減らし、超高齢社会を幸せなものにしてくためには、社会を挙げての対策と個人の健康管理の両輪が不可欠だろう。元気な脳で年を重ねるためにも、若いうちからリスクをひとつずつ取り除くことを考えよう。
(文=編集部)

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