国立がん研究センターが「次世代外科・内視鏡治療開発センター(NEXT)」を開設
AIの内視鏡検査で大腸ポリープを高精度に発見できるなら、大腸がん克服への道筋が見えてくる。がん医療の大きなブレークスルーが起きるかもしれない。
さて、2017年5月8日、国立がん研究センターは、東病院(千葉県柏市)内に次世代手術ロボ開発拠点となる「次世代外科・内視鏡治療開発センター(NEXT)」を開設した。
地上5階建て、総延床面積は約1万m2の同センターは、東病院の外科・内視鏡治療の機能を移行・拡張し、手術支援ロボットなどの次世代医療機器の開発拠点となる。
1階に内視鏡検査・治療を担う計16室の内視鏡センター、2階に医療機器イノベーションの創出と早期臨床応用をめざす「NEXT医療機器開発センター」、3階に集中治療室(ICU)と中央材料室、4階に計12室の手術室を完備している。
特に、イノベーション創出の拠点となる「NEXT医療機器開発センター」は、機器開発用の模擬手術室や遺伝子検査室のほか、千葉大学などパートナー機関との共同研究室、腹腔鏡手術支援ロボットを手掛ける国がん発ベンチャー「A-Traction」の開発施設などが入居。
世界有数の外科・内視鏡技術と最先端の科学技術のマッチングによって、年間8000人以上の患者に最適な治療の機会と、質の高い治療を提供することをめざしている。
このような内視鏡検査技術や手術支援ロボットなど、医療現場をイノベーションするAIのニューウエーブの進化は、目まぐるしい。AIと産学官研究プロジェクトのコラボは、日々加速しているので、目が離せない。
(文=佐藤博)
佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。