56歳で父親になった俳優ジョージ・クルーニー氏の息子は、ギークになる?
高齢の父親を持つ男児は、絶大なベネフィットとリスクを併せ持って生まれ、成長するのだろうか? たとえば、56歳で父親になった俳優ジョージ・クルーニー氏の息子は、自閉症のリスクを抱えたギークになるのだろうか?
Janecka氏は「父親の年齢が高いほど、12歳の時の息子のギーク度が高く、16歳の時の学校の成績が良かった事実を確かめたにすぎない。関連性や相関関係が必ずしも因果関係を意味しない、だが、若いギークたちが将来を担っていくならば、息子を持つ時期が遅れた男性たちにとって、この研究成果は朗報だろう」と話す。
ギークは、父親の精子で起きる突然変異によっても現れる。父親がギークなら息子もギークになりやすく、両親がギークなら、教育熱心なので、息子がギークになるように育てやすい。
ギークと関連性が高い遺伝子は特定されていないが、精子の突然変異は年齢が高いほど起きやすくなり、数学的能力は遺伝すると示唆する研究も少なからずある。
2001年に父親の年齢と子どもの重度統合失調症の相関関係を示したニューヨーク大学のドロレス・マラスピナ博士は「この研究は、父親の年齢が高くなると突然変異の確率は上がるが、必ずしも悪い突然変異ばかりではないことを指摘したのは意義深い」と評価する。
ギークな男性は、恋愛においても性的な関係においても、晩生な男性が多いらしい。まだ父親になるのは早いと考えている人、理想のパートナーにまだ巡り会っていない人は、待つメリットがあるだろう。
「ギーク」の語源をさかのぼると……
ちなみに、サーカスやパレードなどの見世物で、ヘビやニワトリを食いちぎったり、昆虫を呑み込んだりするパフォーマーをギークと呼んだ。そのルーツを探ると、中世のドイツ語で「愚者」「嘲笑すべきもの」「騙されやすい者」などの語義にたどり着く。
さらに、1953年からプロレスラーのフレッド・ブラッシーが挑発に使った決めセリフ「Listen, You Pencil Neck Geeks!(このヘタレ野郎どもめ)」というフレーズにも残っている。
「サーカスの芸人」「挑発語」から「社会に適応するのが苦手な人」に転じたギーク――。
だが、現実を直視すれば明らかなように、先進のコンピュータ・テクノロジーやAI(人工知能)は、天才的なギークたちの明晰なブレーンが創発した事実を思い起こさせる。
(文=編集部)