犬・猫の認知症は早期発見・予防が決め手! ペットの認知症の予防方法・症状とは?

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ペットが認知症は早期の発見・予防・治療が決め手!

イヌやネコも認知症になるか?(depositphotos.com)

 長命長寿のまま一生を終えてほしい――。その願いは、ヒトもイヌもネコも変わらない。しかし、イヌもネコも、そしてヒトも、長生きすればするほど「認知症」になりやすくなるのは避けられない。

 日本動物病院福祉協会(JAHA)の獣医内科認定医である小宮山典寛氏によれば、「認知症」の症状を軽減し進行を遅らせる最善策は、「早期発見」「早期予防」「早期治療」に尽きると指摘する(参考:動物病院「三鷹獣医科グループ・新座獣医科グループ」のサイト)。

 周囲や飼い主を認識できなくなる機能障害、認知症。正常な加齢変化とは異なる脳の組織構造と脳内化学物質が変化するため、認知能力の衰退、 刺激への反応性・学習力・記憶力の低下、行動の異変が起きる進行性の慢性疾患だ。

 ただ、認知症に罹っても、飼い主は「日常の動作が少し遅くなったかな?」と老化現象と勘違いするため、末期症状の「夜鳴き」や「徘徊」などの症状が現れて初めて気づく場合が少なくない。

大型犬6〜10歳頃、小型犬12〜16歳頃、ネコ11〜15歳頃に発症!

 どんなイヌが認知症に罹りやすいのだろう?  小宮山氏によれば、日本犬が約80%を占めるが、柴犬が約30%と多い。小型犬のヨークシャテリア、シーズー、トイプードルも罹りやすいが、ネコは種による差は少ない。

 発症は何歳頃だろう? 大型犬なら6〜10歳頃、小型犬なら12〜16歳頃、ネコなら11〜15歳頃に起きる。ネコはイヌより少し遅い傾向があるが、高齢前の発症も見られる。

 どのような症状が出るのだろう? まず、イヌの場合――。

●トイレの行動や躾を忘れる。
●夜に大声で鳴く。
●飼い主の認識や記憶を喪失する。
●普段寝ない時間に寝たり起きたりする。
●慢性的で進行性の異常行動が見られる。
●入口や出口を間違えたり、よく知った道でも迷う。
●視覚や聴覚が低下する。

 猫の場合――。

●コーナーの隅から出て来ない、食餌をしたのを忘れる。
●覚えていた行動、躾を忘れる。
●普段寝ない時間に寝たり起きたりする。
●目的なく徘徊し、行動が減少する。
●グルーミング(毛づくろい)が減る。
●夜に大声で鳴く。
●異常に食欲が増す。

 このような症状が出る前に手を打たなければならない。

「見つめる」「話しかける」「触れる」「寝たきりにしない」

 小宮山氏は、柴犬なら7〜8歳頃から、他の犬種なら10歳頃からオメガ3脂肪酸(DHA、EPA、αリノレン酸など)に特化した「食餌療法」を始めることを勧める。食餌療法は、認知症だけでなく、高齢に多い骨関節炎、甲状腺機能低下症、高血圧、脳腫瘍などの他の病気の予防効果も期待できる。

 認知症と診断されたら、どのように対処すべきだろう?

 たとえば、視覚や聴覚の障害が強い場合は、気づく程度の大きさで声をかけたり、手を叩いたりして、予め触られるのを分かるように合図を送る。このように体や精神を刺激し、安全な運動をさせたり、飼い主と遊んだりすれば、進行を遅らせる効果がある。

 人間らしい包括的ケアの技法であるユマニチュードを開発したイヴ・ジネスト氏は、認知症の患者に接する時に大切なのは「見つめる」「話しかける」「触れる」「寝たきりにしない」の4ポイントを挙げている。このメソッドは、イヌやネコの認知症の治療にも応用できるからだ。

 その他の対処法をまとめよう――。

認知症を防ぐ具体的な対処方法は

●コミュニケーションの時間を増やすと脳が活性化する。
●定期的な適度の運動、日光浴、シャンプーを心がける。
●優しく話しながらマッサージをする。
●眼を見て話し、名前を呼びつつ、頭から腰までを優しく触れる。
●座れ、待て、伏せ、来い、付け(後へ)を覚えさせる。
●良質のフードを適正量与え、大食させない、おやつは少量にする。
●肥満にならないように体重管理、運動と食餌量に気を配る。
●高齢なら甲状腺機能の検査を受ける(イヌは低下、ネコは亢進)。
●危険物を除去し、安全な場所やトイレの位置を配慮する。
●ゴミ、ダニの除去、清浄機の使用で清潔な環境で飼育する。
●排便回数(イヌは2.5回、ネコ1〜2回、量、形、臭い)を管理する。
●排尿回数(イヌもネコも2〜3回、姿勢、動作、動き)を管理する。
●可能なら他の元気なイヌやネコと遊ばせる。
●新しい安全な玩具を与え、考えさせる。
●ときどき散歩コースを変え帰り道を覚えさせる。
●家の中の遊び方に変化を加える。
●元気よく快活に接する。
●定期的に健康診断を受ける。

 このようにごく常識的・日常的な対処法ばかりだが、飼い主には少なからず負担になるかもしれない。だが、ケアや管理を中断したり、大きなストレスを与えると容態が悪化する場合があるので、注意したい。

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