夏場の室内温度設定は「28度」で閣内不一致!?「クールビズ」の科学的な根拠とは?

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環境省では「室温30度前後」の部署が続出!?

 「Cool」と「Business」の短縮形(BIZ)を併せた造語である「クールビズ」は2005年、当時の環境大臣・小池百合子氏主導の下、「ノーネクタイ、ノージャケット」を謳い、夏期の室温28度下で快適に対応できる軽装の着用を呼びかけたもの。

 その認知度は、開始年・翌年・翌々年の各種調査でも軒並み9割超を示すほどの国民的浸透ぶりで推移してきた。

 件の28度という設定は「事務所衛生基準規則」を出典とされている。環境省のHPを閲覧すると、今も「概要」の冒頭に〈環境省では、地球温暖化対策のため、平成17年の夏から、冷房時の室温を28℃で快適に過ごせる軽装や取組を促す「クールビズ」を提唱してきました〉と掲げられている。

 しかし、その12年間の軌跡を改めて追うと、ナンのことはない、盛山・関両副大臣の見直し案を待つまでもなく、すでに小池環境大臣下の実施当初にお膝元の現場(環境省内)で「事件」は起きていたのだ。

 環境省の建物内で冷房設定を28度にしたところ、主にOA機器の排熱などが原因で室温30度前後となる部署が続出……。一説では摂氏36度超えの部署まで発生するに及び、「労働安全衛生違反だ!」と省内批判が上がったとも伝えられている。

科学的根拠はある! 山本公一環境相は「国民運動として進めているのだから……」

 今回の盛山法務副大臣と関環境副大臣の発言について、マスコミ各社から見解を問われた担当者(同省・国民生活対策室)のコメントを読んでも、「室温28度はあくまで目安」「見直す予定はない……」と困惑気味なのは歴然。

 一方、副大臣同士の「合意」が報じられた翌12日、今度は山本公一環境相が「28度には根拠がある」と盛山発言を否定し、それに応じた関発言も「していない」と述べた。その上で両副大臣のやりとりに対し、こう釘を刺した。

 「国民運動として進めているのだから、ああいう会合に出ている方はぜひ意識してほしい」

 山本環境相は、クールビズ開始時のオフィスの平均室温(26度)から「ネクタイの有無」で体感温度が2度左右されるとの研究結果を根拠とし、「空調の設定温度」ではなく「(あくまでも)室温28度」である点を強調した。

 いやはやなんとも、この現大臣と副大臣連合軍(元担当課長→現副大臣)との見解の相違こそ、「哲学の問題」なのかもしれない。これも一強政権下で完全にナメられている民度の証しだろうか。
(文=編集部)

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