「天候」「気温」「大気汚染」などで片頭痛を誘発する人は「頭痛ダイアリー」をつける
最後に、環境と頭痛という視点では、「大気汚染と頭痛」との関係も知られています。これは二酸化硫黄やPM2.5の大気濃度が上昇すると頭痛が誘発されるという、カナダのエドモントンでの報告(注5)です。
海外の事例のため、日本の気候や大気汚染の状況と単純に比べることは難しいですが、実際、私の患者さんでも、PM2.5の量によって頭痛を誘発される人います。これら大気汚染も頭痛を誘発する因子の一つと考えられます。
今回、述べた「天候」「気温」「大気汚染」などの誘発因子で片頭痛患者の方は、自分の頭痛について「頭痛ダイアリー」を詳細に記入することで、自分の頭痛を分析できるようになります。
たとえば「明日は低気圧が来るので、頭痛を起こしたら困るので、明日は外出を控えよう」などの対策が可能になってきます。どのような天気や環境の時に、自分は頭痛を起こしやすいのかを「頭痛ダイアリー」に記載することで、薬を内服するタイミングや自分のライフスタイルを調節できるようになってくると思います。
(注1)Kimoto K et al. Intern Med. 2011;50(18):1923-8.
(注2) Okuma et al. SpringerPlus (2015) 4:790
(注3)Yang et al. The Journal of Headache and Pain (2015) 16:49
(注4) Denda M Extrem Physiol Med. 2016 Oct 6;5:11.
(注5)Szyszkowicz M et al. American Journal of Emergency Medicine (2009) 27, 391–6