「不眠になりやすい遺伝子」を発見! ぐっすり眠るにはDHAでコントロール?

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遺伝子FABP7の発現をコントロールしつつ睡眠の質を高めるDHAの神秘

 謎を解くカギは、このFABP7の61番目のアミノ酸(FABP7-T61M)にあった。FABP7の61番目のアミノ酸(FABP7-T61M)の部位はDHA(ドコサヘキサエン酸)との結合部位であることから、食事やサプリメントによって中途覚醒を緩和する可能性が高い。

 2014年にオックスフォード大学の研究グループは、DHAの摂取は睡眠の状態を改善すると発表した(Fatty acids and sleep in UK children: subjective and pilot objective sleep results from the DOLAB study - a randomized controlled trial P Montgomery et al. J Sleep Res. 2014 Aug; 23(4): 364-388)。

 発表によると、7~9歳の子ども395人を対象に、睡眠時間と血中のDHAの濃度を分析。DHAのサプリメント(600mg)を毎日摂るグループと、DHAを含まない偽のサプリメント(偽薬)を毎日摂るグループに分け、およそ4か月間にわたる睡眠時間の変化を比較した。

 その結果、血中のDHAの濃度が低い子どもは、睡眠の状態が悪くなる傾向が強かった。さらに、睡眠時間を厳密に測定できる活動量計を着けて実験を行ったグループ(43人)を調べると、DHAを摂った子どもは睡眠時間が約1時間長く、中途覚醒が減った。

 この研究から、DHAの血中濃度を高く保てば、子どもの睡眠を改善する可能性が高いことが判明したことになる。角谷寛教授は、今回の研究成果を次のように総括する。

 不眠症には、ベッドに入ってもなかなか寝付けない入眠困難と、眠ってもたびたび目が覚める中途覚醒がある。DHAは主に中途覚醒に効果をもつが、睡眠薬ほどの強い作用は期待できない。

 牛乳にはトリプトファンが多く含まれるので、寝る前に飲むと安眠に役立つとも言われるように、たとえば、毎日の食事にDHAが豊富なサンマ、サバ、マグロ、あんこうの肝、クジラ、ウナギなどをバランスよく摂り入れるのは賢明だろう。今回の研究成果がDHAよりも効果が高く、中途覚醒を劇的に減らす薬剤やサプリメントの開発につながってほしい。

 このように、FABP7とDHAやEPAなどの多価不飽和脂肪酸は、親和性が高いので、脳の神経可塑性を高め、脳の働きを正常化し、とくに胎生期や出生期の子どもの脳に強い影響を与える。しかも、血中の中性脂肪値やコレステロール値の調節、高脂血症、高血圧、動脈硬化の予防などの働きがあることから、DHAやEPAなどの多価不飽和脂肪酸は、快眠だけでなく、人間の成長と健康に絶対に欠かせない。

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