インタビュー「性差医療をめぐって」第3回 静風荘病院・天野恵子医師

<和温療法>は医療の基本 女性の更年期障害・不定愁訴を大幅に改善

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

更年期障害や線維筋痛症、慢性疲労症候群、パーキンソン病などで効果

 女性特有の更年期障害やそれに付随するさまざまな不定愁訴の大幅な改善が見られるだけではなく、線維筋痛症、慢性疲労症候群、パーキンソン病など、決定的な治療方法がない疾患でも患者さんの症状が緩和されていく様子を目の当たりにして、この療法の効果に対する確信をますます深めたという。

 現在、天野医師が女性外来を担当する静風荘病院(埼玉県新座市)にも2機の乾燥サウナが設置されており、入院しての治療も可能である。冷え性、線維筋痛症、慢性疲労症候群、過敏性腸症候群、更年期症候群などに効果をあげている。

「治療後、自宅でも風呂に入って体を温め、<和温もどき>を続けることで、効果を維持している患者さんもいます。またパーキンソン病などの難治性の神経変性疾患では歩行困難な患者さんが治療後に歩行が可能になるなど劇的な改善が見られる症例もあります。身体を温めることは全ての病気の根幹に効く治療です。体を温め、血流を促し、リラックスさせるのです。副作用も無く悪いはずがありません」天野医師は語る。

 和温療法の開発者である鄭医師が主催するホームページ「和温療法」では、この治療法について次のように説明している。

『全身の血管機能・血管新生を促進して、全身の血流を改善する治療法ですので、すべての臓器別診療科と連携できる治療法です。また、「和温療法」は中枢・末梢の自律神経や神経体液性因子(ホルモン活性)を是正し、自己免疫や生体防御機構を賦活化し、さらに心・精神を和ませ、心身をリフレッシュさせる全人的治療法です。従って、様々な難治性疾患に効果的だけでなく、それらの疾患の軽症な時から施行すれば各疾患の進行を抑制し、さらには原因疾患の予防や健康回復にも効果が期待できる治療法です。』

 性差医療では男女の差を考え、患者さんの話を聞き、ひとりひとりにじっくりと対応する。いってみればオーダーメイド医療の第一歩だ。そのパイオニアである天野医師が、和温療法のような「万人にやさしい」和温治療に行き着いた。

 実は個別化医療を支える大きな力となるのは、専門化された先進医療だけではなく全人的治療法のようなアプローチなのかもしれない。
(取材・文=梶浦真美)

がんになってもあきらめない妊活・卵巣凍結 費用は卵巣摘出に約60万円、保管は年間10万円
インタビュー「がんでも妊娠をあきらめない・卵巣凍結」後編・京野廣一医師

がん患者への抗がん剤による化学療法は妊孕性(妊娠のしやすさ)を低下させる。がんにより妊娠が難しくなる患者を支援するため、2016年4月に「医療法人社団レディースクリニック京野」が、治療前に卵巣を凍結して保存しておく「HOPE(日本卵巣組織凍結保存センター)」を設立すると発表した――。医療法人社団レディースクリニック京野理事長の京野廣一医師に卵巣凍結の仕組みについて訊いた。
前編『「がん」になっても妊娠・出産をあきらめたくない女性のための「卵巣凍結」とは?』

大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大…

吉田尚弘

市民のためのがん治療の会代表。舌がん治療による体…

會田昭一郎

2017年4月より、はるひ呼吸器病院(愛知県)病…

堤寛