納豆を好んで食べると脳卒中、心筋梗塞での死亡リスクが低減
1992年まで遡る最初の調査に際しては、地元・岐阜県高山市在住の男女2万9000人前後を対象とし、それぞれの健康状態や食習慣を尋ねていた。
そこから16年の歳月を経ての生死の違いや、その死因を確認しながら、普段、食べている「納豆の量」に応じて4群にグループ分けし、死亡リスクとの関係を解析する方法が採られた。
この調査期間中の「脳卒中による死亡者」数は677人だったが、年齢事情以外にも各人の運動習慣の濃淡や喫煙状況の影響に左右されないよう、解析上の考慮が図られた。
その結果、脳卒中による死亡リスクに関しては、納豆を好んで最も多く食べていた組の場合、納豆は「ほとんど食べない」という組と比較すると、32%も低いとの効用が読み取れたのだ。同様に、心筋梗塞などで亡くなるリスクも低減傾向にある点が認められた。
納豆をはじめ大豆製品全般は江戸時代の『養生訓』でも推奨
この「最も多く食べていた組」にしたところで、摂取量からすれば1日あたり7g程度、35g入りパックにして週1~2回食べるくらいというから、決して連日の納豆好きでもなさそうだ。
ビタミンB群が豊富に含まれ、糖やタンパク源の分解酸素を生んで、「血液サラサラの代表食材」とも称される納豆。ナットウキナーゼと呼ばれる件の酸素が、血栓を防ぐ作用に富んでいるからである。
もっとも、納豆以外にも大豆製品全般の摂取が健康管理上から推奨されてきたのは、江戸時代に貝原益軒が著した『養生訓』の記述からも明らかだ。
今回の研究でも、味噌や豆腐から摂ったタンパク質から見ても、好んで摂取する人たちの場合、心筋梗塞による死亡リスクは低減傾向が示唆されている。
たかが納豆、されど納豆――。関西圏での敬遠度は昔ほどではなくなったようだが、それでも「あの臭いが苦手で……」と食わず嫌いのままの方は少なくないだろう。
それでも、血液サラサラ効果は捨てがたい。この際、苦手の壁を越えようかと考えている方は、まずは厳しい関所越えよろしく、話題の「ソース焼きそば納豆プラス」へのトライしてみるのも一考かも。
(文=編集部)