男性は「性自認が女性」の「男性用トイレ」の使用に不寛容
この報告は、南開大学(中国)/モナッシュ大学(オーストラリア)のRebecca Stones氏らの世論調査分析によって纏められたものだ。
Stones氏ら研究陣は分析対象としてまず、性自認が女性であるトランスジェンダーの公衆トイレ使用に関するオンライン上の主要ニュース記事(計190本)を抽出。それらの関連記事に対し、読者が寄せた投稿コメント(1035件)をつぶさに分析した。
その結果、男女層双方の違いが明確に読み取れたという。
「Transgender」を直訳すれば「逆側に行く性」となるが、「性自認が女性」である人物が「男性用トイレ」を使用をすることに対し、男性寄稿者は総じて「安全性」や「プライバシー」への懸念を示し、その傾向は男女比で約1.55倍も多く読み取れた。
そもそも女性読者は、米国内を二分しかねないこの問題の関連記事自体にコメントする可能性が著しく低いようで、コメントを寄せる女性の場合も意見そのものが男性よりも控えめ傾向だったようだ。
むしろ女性は、トランスジェンダーの女性を偽装する「変質者」の存在を憂慮していた。逆もまた真なりというべきか、男性は男性で、強い懸念を抱く理由のひとつに、多くの男性が自分自身の存在を「女性を守る者」と見ている傾向にあったという(騎士道精神か!?)。
さらに米国男性の場合、トランスジェンダーの女性を「女性」と見なすこと自体に寛容ではなく、性自認についても「嘘をついている」か「間違っている」と受け入れられないのが大勢のようだ。
アメリカの男性は女性を守っている(守ってあげたい)と考えている
Stones氏は先の論文で、以下のように記している。
「どうやら男性は、自分が女性のみの空間に侵入するそういう(出生時登録上の)男性から、女性を守っている(守ってあげたい)と考えているようだ」
前述のオバマ前政権とノースカロライナ州の「トイレ対立」には、アップル社やディズニー社も参戦して州に抗議の意思を表明。同州内に関連施設を計画していた決済サービスの大手企業が白紙撤回するほどの問題に発展中だ。
前出のGENKINGさんあたりは、この大揺れ問題にどう答えられるのだろうか? また元気な姿で番組登場してコメントを訊いてみたい。
(文=編集部)