クレーマーが我が子を殺す!? 「親の横柄な態度」が子どもの治療に与える影響

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感情的になると論理的な思考が難しいのが現実

 米国小児科学会(AAP)のBrian Alverson氏は「人として感情的になると、論理的な思考が難しくなるのが現実である」と述べている。

 魚心あれば水心ではないが、クレームを付けた親の子供の治療は、なぜか手薄になってしまうというのが現実なのだ。

 米クリーブランド・クリニックのJessica Madden氏は、NICUではほとんど知らない人同士でチームを組み、ストレスの多い環境で治療に当たることが多いという事実も、問題を悪化させていると付け加えている。

 さらに同氏は「現在は新しいチーム内でのコミュニケーションに焦点を当てた研修が実施されているが、患者中心の医療モデルで親が介入してくることは考慮されていない」と指摘する。

 しかし、一瞬の判断が生死にかかわるような状況に直面しているわけではない他の部門にも今回の知見を適用してしまうと、実際の病院システムの問題を軽視することにもつながると、Alverson氏は言う。

 そして「家族が無礼な態度を取ってくるときは、多くの場合こちらに何らかの原因がある。自分たちの姿勢を見直し、患者を喜ばせるにはどのような診療を行うべきかを考える機会の損失となる」と同氏は付け加えている。

 たしかに、ひと昔前の日本では「医者は偉い」という共通観念があり、患者や家族にろくに治療方針も説明せずに治療をすすめることはあった。

 医療スタッフが自分たちの姿勢を見直すのはありがたいが、ネットで拾ったにわか知識をゴリ押ししたり、病院の対応に大声で不満を述べたりする行為は、患者自身にとって不利益になるということを覚えておきたい。
(文=編集部)

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