「リステリン」が効く! オーラルセックスでの淋菌を予防~「性病は口では感染しない」は都市伝説

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淋病はオーラルセックスでも感染する(shutterstock.com)

 今、日本に性感染症が広がりつつある。厚生労働省は昨年11月、性感染症の予防や早期発見につなげようと、美少女戦士セーラームーンを起用したポスター「検査しないとおしおきよ!!」を発表し、話題を呼んだ。

 国立感染症研究所の調べでは、昨年(2016年)7月3日時点で全国の「梅毒」患者数は2019人。半年間で2000人突破の急増ぶりは、一昨年(2015年)の実績(2600人)の76%を占めていた。

 しかも厚生労働省の概要によれば、とりわけ「20代前半の女性感染者」が前年期同期比で2.7倍の増加が著しかった。

 梅毒急増の背景は「(同性間/異性間を問わず)不特定多数との性行為が増えていると推測するしかない」(感染研)とのこと。

 オーラルセックスによる性感染症の増殖も憂慮されており、「とくに若い世代に多く、調査の結果では7割以上で(口腔性交が)行なわれ、その際にコンドームを使用するのは2割程度」(厚生労働省)。

 一昨年秋には、福岡の研究班が「<抗生物質が効かない淋病>が、3年で2%→23%」という急増報告をした。

 そんな日本にとって、大いに耳を傾けるべき最新知見が『Sexually Transmitted Infections』(2016年12月20日・オンライン版)に掲載された。注目の報告論文は、豪州・メルボルンセクシャルヘルスセンターのEric Chow氏らが研究結果をまとめたものである。

 Chow氏らの見解によれば、日本でもおなじみの市販マウスウォッシュ(口内洗浄液)が「口腔内の淋病抑制に役立つ可能性」があり、習慣的な日常使用が淋病拡散を抑える「安価かつ容易な方法になりうる」そうだ。

メーカーは140年前から淋病予防の効果を主張

 研究実施の背景には、全世界的なコンドーム使用率の減少が傾向があり、多くの国で男性陣の淋病罹患率が上昇しているという事情があった。その大多数が同性愛/両性愛者の男性で発生している趨勢からも、今回の研究でもそうした性向を持つ男性陣58人が臨床試験対象に選ばれた。

 実験に際して用いられた商品は、いずれもアルコール濃度21.6%の市販口内洗浄液「リステリン」の2種(クールミント&トータルケア」)。というのも、リステリンの製造業者は1879年から「リステリンが淋病に有効である」との主張をしてきたからである。

 だが、業者自身の研究では、そのエビデンスが証明されていない事情もあっての試みだったようだ。

 58人の被験者は、誰もが以前の検査で、口腔・咽頭の淋菌が「陽性」と診断された同性愛者/両性愛者。彼らは無作為の2班に振り分けられ、片方がリステリンで1分間口をゆすぎ、うがいを試みた。もう一方の班は食塩水で同じく1分間の口内洗浄を行なった。

 実験の結果、各自の咽頭部で洗浄後も生存している淋菌は「リステリン組」で52%、後者の「食塩水組」で84%の差が生じた。

 さらに5分後の双方比較では、リステリン使用班のほうが食塩水使用班よりも、咽頭の淋菌検査上「陽性になる可能性」が80%も低かった。研究陣は、2種類のリステリンが淋菌のレベルで有意に低減し、生理用食塩水では低減しなかったと結論付けている。

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