除雪作業は必ず2人以上で!ヘルメット、命綱、はしご、携帯電話やスマホも忘れずに
除雪作業中の事故を防ぐ対策をまとめよう。
すぐに救助できるよう、除雪作業は2人以上で行うこと。高齢者などがやむを得ず1人で除雪作業する場合は、隣近隣で声かけ合って一斉に取りかかる。ヘルメットや命綱を必ず着用し、はしごを固定する。晴天で温暖な日の午後は屋根の雪が緩みやすいため、軒下などの落雪に特に注意する。低い屋根でも注意を怠らない。除雪機の雪詰まりを取り除く時は、手足を巻き込まれないようにエンジンを止め、棒などを使って行う。命綱や除雪機はこまめに点検しておく。万が一に備えて、携帯電話やスマホを持って作業する。
次に雪道などの転倒事故の防止策だ。
転倒して頭を強打すれば命に関わる。靴は、底にピンやゴムなどの滑り止めがあるものを選ぼう。横断歩道、バス乗り場、建物の出入り口などは、雪が踏み固められて滑りやすいため、路面をよく確認して歩く。歩く時は、小さな歩幅で重心を前に移動しながら、足の裏全体で路面を踏みしめるように歩くのがコツだ。
また、吹雪や地吹雪の時は、雪が建物や車などの風を遮る場所に吹きだまるので、車が短時間で埋もれることがある。マフラーの排気口が雪で詰まれば、車の排ガスが逆流して一酸化炭素中毒に襲われる危険がある。動けなくなった時は、車のエンジンを切るか、排気口の除雪をしながら、救助を待つのが得策だ。
さらに『いのちを守る気象情報』では、着雪注意報にも注意を促している。着雪注意報は、電線に雪がこびりつき、その重みで電線が切れたり、電柱が倒れたりする恐れがある時に発表される。着雪注意報が出たら、停電する場合があるので、夜は懐中電灯などを準備し、電気に頼らない防寒法(石油ストーブなど)が必要になる。
その他、大雪の時は、ビルなどからの落氷、下水などの氾濫、公共交通機関の乱れ、道路の渋滞、車のスリップ事故にも気を抜かず注意しよう。
侮れば死のリスク、備えれば安心。それが自然災害大国に暮らす日本人の知恵だ。斉田氏の『いのちを守る気象情報』は、大雪以外の自然災害の対策法も分かりやすく紹介している。関心があればぜひ一読してほしい。
(文=編集部)