脳神経学の大発見!「iSC細胞(虚血誘導性多能性幹細胞)」の移植で「死んだ神経細胞」が再生した!

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骨髄細胞やhNT細胞でも、脳梗塞の再生治療が実現か!

 このような再生医療のポテンシャリティは限りなく大きいが、脳梗塞の再生医療の画期的なエポックはまだある。

 脳梗塞は、脳の血管が閉塞し、血管が栄養を供給している脳細胞が破壊されて起きる。したがって、脳梗塞になった中心部分の脳細胞は保護できない。だが、急性期でも周辺部分に脳細胞の保護・再生が可能な領域(ペナンブラ)がある。この領域の治療を目的とする種々の細胞を用いた再生医療の研究が進んでいる。

 1つは骨髄細胞による再生医療だ。

 骨髄細胞中には、骨髄間葉系幹細胞と呼ばれる様々な細胞に分化できる細胞が存在し、神経細胞やグリア細胞など、脳を構成する細胞にも分化できる。

 動物の脳梗塞モデルを用いて骨髄細胞を脳内に移植すると、移植された骨髄細胞は脳梗塞の患部に移動し、神経細胞やグリア細胞に分化するため、脳梗塞の大きさが縮小し、改善効果が見られた。また、骨髄細胞から分泌される栄養因子が神経保護作用を発揮するため、脳梗塞の大きさが縮小した。骨髄細胞は自家移植できるので、副作用は小さい。この骨髄間葉系幹細胞を用いた脳梗塞の治療は、臨床応用が始まっている(Bang OY, Lee JS, Lee PH, et al: Autologous mesenchymal stem cell transplantation in stroke patients. Ann Neurol 57: 874-882, 2005.)。

 もう1つはhNT細胞による再生医療だ。

 ヒトのteratocarcinoma(胎性幹細胞の性質をもつ腫瘍)から作ったhNT細胞という細胞株を神経細胞に分化させ、脳梗塞の動物モデルに移植すると効果があったという報告がある。

 米国では神経細胞に分化させたhNT細胞を脳梗塞患者の脳内に移植する方法が臨床応用され、神経症状が改善されているのだ( Kondziolka D, Wechsler L, Goldstein S, et al: Transplantation of cultured human neuronal cells for patients with stroke. Neurology 55: 565-569, 2000)。

 このように、種々の細胞を用いた再生療法の研究が進展しているが、多くは基礎研究の段階だ。基礎研究を積み重ね、安全性を確認しながら臨床応用を進めれば、脳梗塞だけでなく、パーキンソン病などの難疾患の再生治療も可能になる。期待しよう。
(文=編集部)

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