「胃がん」の主因「ピロリ菌」に50歳以上の8割が感染!除去しても遺伝子異常で再発のリスクが!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
396138376.jpg

ヘリコバクター・ピロリ菌と胃がんの関係性は疫学的にほぼ証明されている(shutterstock.com)

 お正月気分もそこそこに仕事始め。2017年が起動した。おせち料理、お餅の食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、帰省疲れ、正月ボケなどで体調が思わしくない人も少なくないかもしれない。

 胃腸はタフな臓器だが、ホルモン分泌のバランスが崩れたり、慢性的なトラブルを抱えると、なかなか復調しないナーバスな頑固者でもある。「胃がん」などを誘発するリスクもあるので、決して侮れない。

 「胃がん」に罹る日本人は「肺がん」についで多く、およそ13万人。 原因は多岐に及ぶ。胃粘膜が腸上皮化生という粘膜に置き替わり、がん化しやすい慢性胃炎、慢性的な炎症、ヘリコバクター・ピロリ菌による炎症のほか、塩分過剰、食物繊維不足、飲酒過剰、喫煙、ストレス、がん遺伝子の活性化とがん抑制遺伝子の不活性化などの諸要因が複合化して発症に至る。

 その中でも胃がんの主な原因である「ヘリコバクター・ピロリ菌」の新たな研究成果が発表されているので紹介しよう。

胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を除去しても再発のリスクが

 昨年(2016)年12月、国立がん研究センターの牛島俊和分野長らの研究グループは、胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を除去後も、遺伝子異常によって再発リスクが高まると発表した。

 研究グループは、胃がんの治療が終わった患者800人を対象にメチル化と呼ばれる遺伝子異常がどのように発生しているのかを調べるため、患者を4グループに分け、5年間にわたって術後の経過を観察・分析。その結果、異常が最も少なかったグループの患者のがん再発率は7%だったが、異常が最も多かったグループの患者のがん再発率は19%と高かった。

 牛島分野長によると、除菌後に発症リスクの高い人が分かり、検診を徹底すれば、早期発見できるだけでなく、メチル化の異常は肝臓がんや大腸がんにも関わると見られるので、研究をさらに進めたいと話している。

 このように、ヘリコバクター・ピロリ菌と胃がんの関係性は、疫学的にほぼ証明され、1994年に世界保健機関(WHO)は、ヘリコバクター・ピロリ菌を有害な発がん物質に指定している。

 では、このヘリコバクター・ピロリ菌はどんな細菌か?

除菌で虫歯と歯周病を予防する「3DS」~薬を塗ったマウスピースを5分間はめるだけ
インタビュー 口腔内を除菌して全身疾患を予防する「3DS除菌」② 鶴見大学歯学部・探索歯科講座 花田信弘教授/山田秀則助教

第1回:口腔内の雑菌は100億個以上~<除菌治療>が歯周病と生活習慣病を防ぐ!
虫歯や歯周病の原因菌が、生活習慣病を引き起こす発症リスクになることがわかっているため、今後は虫歯や歯周病を直接治療するだけに留まらず、「予防歯科」の必要性が近年ますます高まってくる。鶴見大学歯学部付属病院では、3DSという治療法を用いて、歯科治療のみならず、全身疾患の予防を目的に画期的な専門外科を開設している。

理学療法士。日本で理学療法士として勤務した後、豪…

三木貴弘

滋賀医科大学社会医学講座(法医学)教授、厚生労働…

一杉正仁

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真