「胃がん」の主因「ピロリ菌」に50歳以上の8割が感染!除去しても遺伝子異常で再発のリスクが!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

胃酸で死滅しないヘリコバクター・ピロリ菌の恐怖

 もし細菌が口から鼻から体内に侵入しても、胃酸の中に塩酸が存在するため死滅する。しかし、ヘリコバクター・ピロリ菌は死滅しない。この菌が持つウレアーゼという酵素が尿素からアンモニアを生成させ、それが胃酸を中和させるからさ。それによって胃の粘膜に障害を及ぼす。さらに、菌がもつタンパク分解酵素が粘液を分解し、胃の防御機構を低下させることから、胃への障害性が増強されることになる。

 また、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると、胃粘膜は白血球やリンパ球による炎症細胞浸潤を引き起こし、白血球は活性酸素を放出するため、細胞障害を招きやすくなる。このような要因によって、萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんを発症するリスクが急速に高まるのだ。

日本人のヘリコバクター・ピロリ菌の感染率は50歳以上は80%

 日本人のヘリコバクター・ピロリ菌の感染率は、20歳までの若年者は低いが、加齢と共に高まり、50歳以上は80%に及ぶ。

 感染者は、およそ6000万人。このうちのおよそ2~3%が胃・十二指腸潰瘍を発症し、およそ0.4%が胃がんを発症するとされる。ただし、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染の機序はすべて分かっていない。

 国立がん研究センターの牛島分野長らの研究グループの研究がさらに進展すれば、どの段階の除菌治療が胃がんの再発予防に有効かが解明されるかもしれない。

 胃がんの予防は一にも二にも生活習慣だ。毎日の食習慣のバランスや過剰なストレスに気をつけ、胃腸に負担をかけない生活を送りたい。もしも、胃もたれ、吐き気、ゲップ、食欲不振、体重減少、軽い黒色便などの変調があれば、胃腸内科などを受診してほしい。
(文=編集部)

「責任能力なし」の精神障害者が再び他害行為~治療によって退院3年後で1.8%に
インタビュー「重大な他害行為を行った精神障害者の治療」第2回 国立精神・神経医療研究センター病院・第2精神診療部長:平林直次医師

第1回「精神鑑定「責任能力なし」~重大な他害行為を行った精神障害者の治療病棟では……」
第2回「「責任能力なし」の精神障害者が再び他害行為~治療によって退院3年後で1.8%に」
重大な事件を犯しても「責任能力を問えない」と判断された精神障害者は、その後どのような処遇を受けているのだろうか? 他害行為を行なった精神障害者の治療を行うための医療観察法病棟が設けられている、国立精神・神経医療研究センター第2精神診療部長の平林直次医師に、あまり知られてない治療の実情について訊いた。

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

シカゴ大学医学部内科・外科教授兼個別化医療センタ…

中村祐輔

日本中毒学会評議員(同学会クリニカルトキシコロジ…

横山隆