世界一の激辛<ブート・ジョロキア>で食道破裂! 激辛嗜好派は「胃がん」の発症が1.7倍に

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
96758542.jpg

ブート・ジョロキアの辛さはタバスコの200倍、ハバネロの2倍(10倍説も)(shutterstock.com)

 「一人前はさび抜きで」と頼まれたので、スーパーの売り場で「さび抜き」の表示を探したが見当たらない。売り切れたのかと思った矢先、どの寿司パックにも小袋のわさびが付いているのに気づいた。

 そうか、いまや「さび好き」のほうが自分の好みでひと手間かける時代なんだな、と納得した次第。なるほど、売れ残り解消策としても合理的だとは思う。が、さび抜き仕様が「主役」という売り場風景は、やはりどうにも腑に落ちず……。

 それで思い出したのが、よくバラエティ番組でお笑い芸人たちが<無茶ぶり>される寿司版のロシアンルーレット。大量のわさび入りを引き、頬張って思わずむせて吐き出す姿が笑いを呼ぶというアレである。

 だが、同じ激辛ネタでも、『The Journal of Emergency Medicine』(オンライン版9月29日)に掲載された海の向こうでは、笑うに笑えない緊急搬送談である。

ギネス認定の激辛世界一の「ブート・ジョロキア」で緊急手術

 事件は、米サンフランシスコで開催された大食い大会で起きた――。

 当日の会場では、ある食材のピューレソースを使ったハンバーガーをどれだけ食べれるかが争われていた。件の食材とは、バングラデシュを主産地とする唐辛子の「ブート・ジョロキア」。

 その猛烈な辛さ度合いは、タバスコの実に200倍、近年おなじみのハバネロの2倍(10倍説も)はあり、その世界一の超激辛ぶりはギネスに登録されたほど(2007年)。

 ブート・ジョロキアの主成分であるカプサイシンの刺激があまりにも強いことから、収穫時も<素手は厳禁でゴーグル&手袋が不可欠>なのだ。

 今回、悲劇の主人公となったのは、コンテスト参加者の地元男性(47歳)。前掲記事によれば、激辛ハンバーガーを1個食べ終えた途端、急激な吐き気と嘔吐に見舞われ、次いで強烈な腹部の激痛と胸部痛に襲われるに及んで完全ダウン。

 最寄りの病院に緊急搬送され、手術を余儀なくされた。CTならびに胸部X線検査の結果、男性の食道周囲に空気が認められ、「特発性食道破裂(Boerhaave症候群)」による「食道穿孔」が示唆されたという。

 この重篤な疾患は、特別な疾患もなく嘔吐による急激な食道内圧の上昇が原因だ。健常な食道壁の全層に渡り、損傷が生じたのだ。

 この患者の場合、挿管が行なわれ、ただちに手術が施されたが、食道には2.5cmもの裂傷が認められた。

 傷の周辺には液体や食物残渣が見つかり、手術当日から13日間は栄養チューブが必要とされた。さらに退院までには、23日間を要したそうだ。

<和温療法>は医療の基本 女性の更年期障害・不定愁訴を大幅に改善
インタビュー「性差医療をめぐって」第3回 静風荘病院・天野恵子医師

「性差医療」のパイオニアである天野恵子医師(静風荘病院・埼玉県新座市)へのインタビュー第3回は、現在、天野医師が最も注目している療法のひとつである「和温療法」について伺う。
第1回<性差医療>っていったい何? 心筋梗塞や動脈硬化でも男女で症状に違いがある!
第2回 全国の「女性外来」の共通のモットーは「紹介状は不要」「症状は問わない」「初診に30分かける」」

2017年4月より、はるひ呼吸器病院(愛知県)病…

堤寛

大阪大学大学院言語文化研究科教授。米国ウィスコン…

杉田米行

大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大…

吉田尚弘