受動喫煙の首位は「飲食店」の41.1%
これらの数字は近年、健康被害警告と高い税金を課したバングラディッシュや、健康被害警告に取り組むベトナム、禁煙法や広告の制限に積極的なロシア連邦などの政策実施が影響して高まった、とも報告されている。
「今回の研究結果は、効果が証明されているタバコ規制政策を持続的に実施すれば、さらに何百万人もの生命が救える可能性がある点を示唆している」(Levy氏)
折しも12月4日に韓国・釜山で行なわれた日中韓3カ国の保険相会合では、いずれも五輪・パラリンピックの開催(平昌・18年冬季、東京・20年夏季、北京・22年冬季)を控える立場から受動喫煙防止対策を強化する方向で一致した。
これはいうまでもなく、国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機構(WHO)が掲げる「タバコのない五輪」を反映したもの。具体的には公共の場などでの全面禁煙をめざし、対策強化に3カ国が協力し合う項目を盛り込んだ共同声明を採択した。
一方、前掲の厚労省調査では「1カ月間の受動喫煙の有無」を場所別に複数回答する設問もあり、非喫煙者5771人が答えているが、首位は「飲食店」の41.1%。2位がパチンコ店などの「遊技場」、3位が「職場」「路上」の30.9%と続いた。
しかも同省の「健康日本21」が掲げる飲食店での受動喫煙経験値、その目標値が「15%」というから、目下の現実とは大きくかけ離れている。こうした喫煙・禁煙事情の世界比をしてもやはり、わが国はガラパゴス化が著しいのだろうか……。
(文=編集部)