膣よりも陰核よりも……
この双方の反射が、多くの哺乳類において「排卵時」の重要な役割を果たしており、卵巣からの「卵子の放出」を刺激・促進に役立っているという。
現代の哺乳類を調査すれば進化の過程に応じて幅広い変化が認められるが、ヒトの祖先においてはこの特性が「排卵に必要であった可能性」が示唆された。
「ヒトの場合、この反射が進化後に生殖上は必要でなくなり、副次的な働きとして女性のオーガズムが遺されたと考えられる」と、Wagner氏らは解説。さらに「クリトリスのほうは進化を通して解剖学的な位置が移動したと考えられ、そのために現在は性交中に直接刺激される可能性が低下した」とも同論文は言及している。
性的絶頂は必ずしも「クリトリスへの刺激」によってのみもたらされるものでもなければ、「膣のみで感じるオーガズム」というのも都市伝説(?)の域を出ないようだ。
今回の知見から「湧き出てくる」という源流を知れば、快楽の裏事情も納得できるというもの。
「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンを例にとれば、スキンシップや家族団らん、友人と飲食を愉しんだり、ハグしあう(ペットを含む)だけでも分泌されるというから、要は気持ちや雰囲気の問題なのだろう。「いいじゃないの、幸せならば」ということか。
(文=編集部)