感動を与えない障害者はダメですか?
この番組を見たことがない人のため簡単に紹介しよう。「バリバラ」は「バリアフリー・バラエティー」の略。1999年に始まった福祉番組「きらっといきる」の中で、かつて月1回のバラエティーとして放送されていた。
「障害者を笑ってはいけない」という暗黙の了解のあるなか、障害者の運動会や自らの障害をネタにしたお笑いなどは、当時大きな反響を呼んだ。
そして2012年4月より「バリバラ」は独立した番組として「感動するな! 笑ってくれ!」というコンセプトでスタート。毎週金曜日21時から放映されていたが、2015年からは日曜日のゴールデンタイム19時放映になった。
24時間テレビと違うリアルな障害者の声
これまでに、障害者のお笑いNo.1を決める「SHOW-1グランプリ」、笑える障害者カップルが競う「バリバカップル」、障害者の婚活をルポする「密着! 婚活パーティー」、タレントのはるな愛が企画した障害者のためのファッションショー「バリコレ」などなど幅広いテーマが放映されている。
レギュラー出演者には、ラジオDJの山本シュウさんはじめ、脳性麻痺の玉木幸則さん(自立生活センター職員)、多発性硬化症の大橋グレースさん(ボランティア団体運営)、義足の大西瞳さん(陸上競技選手)、先天性四肢欠損症の岡本真希さん(会社員)。
また、ナレーターには脳性麻痺の神戸浩さん(俳優)、知的障害の伊藤愛子さん、前出のはるな愛さん(性同一性障害)など、当事者である障害者が起用されている。
同番組は、障害者はもちろん、セクシャルマイノリティーも含めすべての人がバリアを感じないで生きてゆける社会を目指している。合い言葉は「みんなちがってみんないい」。
28日の生放送では、出演者が激論を戦わせるのはもちろん、Twitterで視聴者も参加できる仕組み。以前このページで紹介した「寝たきり芸人・あそどっぐ」も登場する(障害をネタに笑いを誘う“寝たきり芸人”「あそどっぐ」、究極の個性が爆発!)。
本人のFaceBook(8/12付け)には「昨日はバリバラロケでした! 28日の生放送中に流れます!」と書かれている。いろんな衣装をとっかえひっかえしたらしい。どのような形で登場するのか興味津々だ。
さて、28日、バリバラでは24時間テレビの描く「感動を呼ぶ障害者像」と、どのように違ったリアルな障害者の声が聞けるだろうか。
(文=編集部)