月9ドラマ『いつ恋』の過酷な介護現場に抗議! 皮肉にも呼応する「川崎・有料老人ホーム殺人事件」!?

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ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(番組公式HPより

 有村架純さんと高良健吾さんのW主演、群像劇の要であるキャステイングの妙が光るフジテレビ系ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(毎週月曜21:00〜)。意外にも「月9」枠としては珍しく、中高年の視聴者層にも支持されて好評を得ているようだ。

 経済格差や劣悪な職場環境、朽ちゆく地方と東京の一極集中化、王道恋愛ものを下敷きとしながら、現代日本の縮図を織り込む巧みな筆さばき。折れずに真摯に懸命に“今”を生きる若者像を紡ぐのは『東京ラブストーリー』で知られる坂元裕二氏による脚本だ。

 一方、「月9にしては暗すぎ?」と回を重ねるに連れて離れてゆく若年層が少なくないのも、通奏低音のリアルさゆえだろうか。数字上(視聴率)の裁定は置くとしても、「ハマる人はハマる傑作!」との評判劇も、立場が変われば演出への懸念が沸き起こるのも表裏だ。

悲惨な群像劇は「現場」で起きている!

 有村さん扮するヒロインの「杉原音」は上京後、介護付き有料老人ホームで奮闘するという設定だが、その職場待遇や環境の描写に「配慮」の要望が寄せられた。同番組制作責任者宛に「意見書」を送ったのは公益社団法人・日本介護福祉士会で、内田千恵子副会長名義のA4版2枚に渡る。

 要約すれば、『いつ恋』で「過酷な労働環境(24時間勤務)、労働条件(月収14万円)の下で勤務し上司やオーナーからハラスメントまがいの仕打ちをされている」場面を観た一視聴者が、資格取得を目指す身内の未来を憂いて、同福祉士会にメールで実態を問うてきた。

 意見書はその内容と返答(同会の見解)の転用が大半を占めるが、製作側へはこう述べる。

 「ドラマを作成している方は、介護の給与の低さや労働環境の悪さが言いたいわけではなかったことは十分承知していますが、影響の大きさも考えて戴きたいと思います」

 これはドラマ的演出上の忖度不足か、はたまた大なり小なり負の印象を被る現場の過剰反応か、どちらかの肩を持つという問題でもなかろう。同会側も番組の中止や変更を要求してはいないが、皮肉なのは奇しくも「現実」のほうが創作を超えてしまった事実だ。

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