谷垣幹事長は身をもってポケモンGOチャリの危険性を国民に知らしめた!? 重症がささやかれる頸損とは?

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
new_bicycle0728.jpg

想像以上に怖い自転車事故(shutterstock.com)

 7月22日の配信以来「ポケモンGO」プレー中での自転車事故などが相次いでいる。警察庁によると、25日午前11時半までにポケモンGOがらみの事故は、取り締まり件数が71件、物損事故が32件、そして人身事故は4件となっている。

 自転車事故といえば、自民党幹事長の谷垣禎一幹事長(71)が事故を起こしたばかりだ。大物政治家である与党幹事長の怪我の報道はポケモンGO騒動の陰に隠れてしまった。コレでいいのかい?

 一部で谷垣幹事長はポケモンGOプレイ中だったとのデマもあったが、事故を起こしたのが配信前の7月16日午前。仮に谷垣幹事長がテスター実施に参加していたとしても(はずがない!)、6月30日に終了していたのだからもちろんポケモンGOがらみの事件ではない。

 ポケモンGOでの自転車事故に関する危険性は『ポケモンGOで「自己破産」!? チャリプレーヤーは自転車事故保険に加入すべし』で指摘しているが、アプリをプレイしていようが、していまいが、自転車がらみの事故は思わぬ大事故に繋がる。

 日本サイクリング協会の会長を務める谷垣氏は、自宅にはロードバイクを10台コレクションし、選挙の遊説の際も自転車を積極的に使用するという、政界きっての自転車マニアだ。

 休みができるとサイクリングにいそしんでいたようで、事故が起きた日も参院選が終わっての久々の休日。約5キロの皇居周回コースを高級ロードバイクで走行している途中、転倒して投げ出され、背中をアスファルトに強打した。谷垣氏は野党時代の自民党総裁だった2009年にも、多摩川沿いをサイクリングしている際に対向する自転車とぶつかり、右頬を数針縫う大怪我をしている。

 今回の事故は発生以来、谷垣氏の詳しい容体について正式な報告は伝わってこなかった。そのため、関係者筋からは「松葉杖を使えば体を動かすことができる」「首から下は麻痺しているらしい」といった憶測が飛び交っていた。

 そして7月26日、細田博之幹事長代行が記者会見を開き谷垣氏の容体を報告。「16日に頸髄を損傷し、手術を受けた。テレビで相撲観戦するなど意識ははっきりしており、経過は順調だ」と無事を伝えるものの、ケガの詳細については語られなかった。今後、幹事長職を続けられるかについても「回復は個人差がある。見守りたい」と話すにとどまった。

頸髄損傷と復帰の可能性は未知数

 谷垣氏が損傷した頸髄はどの部位を指すのか? またその部位を損傷してしまうとどのような症状が現れるのか?

 神奈川頸髄損傷者連絡会のウェブサイト(http://www.k-sonet.jp/index.html)によると、その特徴が次のように記されている。

 「脊髄の中でも首の骨(頸椎)の中を通っている部分を「頸髄」といい、脳に近いほど生命を維持するうえで重要な機能に関わる情報の伝達を担っています。そのため、頸髄の上の部分を損傷するほど、その下の神経が担う部位の機能を失うことになり、一般的に言うと重い障害を負うことになります」

 頸髄損傷で多く見られる症状としては次の通りである。

●麻痺している筋肉が自分の意思に関わらず勝手に緊張して収縮する痙性(けいせい)
●貧血状態(立ち眩み)のようになる起立性低血圧(重度の頸髄損傷の場合)
●皮膚や肉の細胞が死んで穴があいたような状態になる褥瘡(じょくそう)

 その他には尿路感染、肺活量の低下、過反射のほか、体温調整ができないといった症状が現れる可能性があるという。

 首から下が動かないほどの麻痺に至る場合でなくても、麻痺が腕や指の先にまで至ることが多い。損傷の箇所や程度によって、症状はかなり変わってくるが、日常生活の多くの場面に介護が必要とする場合が多いそうだ。

 手術については、神奈川リハビリテーションセンターのサイト(http://www.kanariha-hp.kanagawa-rehab.or.jp/spinal-cord-injury)に、「手術は褥瘡とその原因となった骨の突出を切除し、切除後の欠損を周囲の皮膚などで覆う事が基本となります」と書いてあり、健常者としての復帰がほど遠いことを想像させる。
 
 谷垣氏の頸髄の損傷がどの程度なのかわからないが、自転車での事故の場合、重症例がどのような事態を引き起こすのかは覚えておいた方がいい。

<治療の中断>を減らした「オンライン診療」~会社やカフェからアクセスする患者たち
インタビュー「自宅や職場からの遠隔診察を可能に」第3回:新六本木クリニック・来田誠院長

第1回:<治療の中断>を減らした「オンライン診療」~会社やカフェからアクセスする患者たち
第2回:通院不要の「オンライン診療」~支払いはクレジット決済、薬は院外処方箋を自宅に配送
第3回:<治療の中断>を減らした「オンライン診療」~会社やカフェからアクセスする患者たち
 「5大疾病」のひとつとされ、もはや誰でもかかりうる病気となった精神疾患。その治療は長い期間にわたることが多いため、通院には負担がかかるのが常だった――。そんな精神科の診療をオンラインで行うことを可能にし、利便性を高めたのが新六本木クリニックだ。

大阪大学大学院言語文化研究科教授。米国ウィスコン…

杉田米行

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

藤田保健衛生大学医学部第一病理学教授。慶應義塾大…

堤寛