うつ、ADHD、統合失調症を引き起こす可能性も?
映画に登場する研究者は、砂糖がADHD(注意欠陥・多動性障害)、アルツハイマー、統合失調症など、さまざまな脳疾患の原因にもなることも指摘する。こうした意見には相反する考え もあり、なかでもADHDに関しては、米国立衛生研究所(NIH)も砂糖との関連性に懐疑的な姿勢を示している。
さらに、「非感染性疾患による死亡者のうち喫煙が原因だったのは約14%で、残りのほとんどは砂糖が原因」、「砂糖は殺人の第一容疑者」というジャーナリストたちのコメントも紹介。徹底的に砂糖及び砂糖業界の罪を追及する。
世界中に多量の精製糖を含む食品が氾濫しているのは確かなことだ。だが、監督はそれらの「過剰摂取」に対する自己責任や食生活への管理能力に関しては、あまり言及しない。一方では、自分の子どもに「SUGAR CAN KILL」(砂糖はあなたを殺す)というシールを店の商品箱に貼らせるなど、行き過ぎた行動に出る。
ただ、この作品の矛盾性や過激性には、結果的に「砂糖の危険性」に目を向けさせる力がある。専門家の意見が分かれる中、「砂糖は本当に悪魔の粉なのか」「そんなに多くの病気をもたらすのか」を自分なりに調べ、判断するよいきっかけになるのではないだろうか。
(文=編集部)
『シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ』
2014/チェコ映画/英語、チェコ語/82分
出演:アンドレア・ツルコヴァー、キャシー・ドルジン、アデルベルト・ネリセンほか
配給:T&Kテレフィルム
公式HP:www.sugar-blues.com
(c)2014 GOLDEN DAWN
7月23日(土)公開予定