「希少糖」が世界を席巻!? 甘さ30%オフでカロリーゼロの香川生まれの「夢の甘味料」

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香川生まれの希少糖に世界が注目が(shutterstock.com)

 「甘い話には毒も罠もある、絶対に乗るなよ!」――口が酸っぱくなるほど言われても、誘惑に負けてうっかり手を出してしまう。甘いものには徹頭徹尾、甘い。それが悲しいかな、人間の性らしい。

 経済ジャーナリストの松崎隆司が著した『香川発 希少糖の奇跡――太りにくい「夢の甘味料」』(日経BP社)を手にした時、ふと「もしや?」という胸騒ぎと、甘さへの抑えがたい衝動が葛藤するのを覚えた。

 食べても太りにくい夢の甘味料「D−プシコース」、世界の肥満問題に立ち向かう香川発の産学官プロジェクト、20兆円世界の糖類市場を激変させる可能性、医薬品の実用化をめざす「D−アロース」……。そんな紹介文に、大脳をとろけさせて余りある甘味を感じ、思わず舌なめずりした。

 希少糖「D−プシコース」のスイート・ストーリ—は夢か真実か?

 国際希少糖学会によれば、希少糖は自然界に稀にしか存在しない単糖と単糖誘導体の総称だ。D−プシコース、L−グルコース、D−アロース、D−タガトース、キシリトール、L−リボース、エリスリトールなど60種類ある。自然界に豊富に存在するD−グルコースやD−マンノースなどを除けば、ほとんどの単糖が希少糖。これらの希少糖のうち最も研究が進んでいるのがD−プシコースだ。

 発端は1993年、総合科学雑誌『Nature』が 「食品と医薬品の境界線を切り拓く日本発の希少糖」とタイトルした研究論文を掲載したことに始まる。予防医学の観点に立った日本発の機能性食品D−プシコースの研究開発の成果を高く評価したのだ。

 翌1994年、香川大学の何森健(いずもり・けん)特任教授の研究グループは、フルクトースをD−プシコースに変換する酵素「D−タガトース3−エピメラーゼ(DTE)」を世界に先駆けて発見。希少糖の大量生産システムが整備され、普及の道が大きく拓けた。

 以来、香川大学研究推進機構希少糖研究センターは、希少糖の生産や生理活性に関する研究に傾注。2001年に国際希少糖学会(何森健会長)が立ち上がった。

 2010年1月、香川大学研究推進機構希少糖研究センターは研究成果をとりまとめ、「希少糖D−プシコースは砂糖の7割程度の甘味があるが、カロリーはほぼゼロのため、食後の血糖値の上昇を緩やかにし、内臓脂肪の蓄積を抑える効果がある」と世界に公表した。

糖尿病を抑制し、肥満、動脈硬化を予防するD−プシコースの真実!

 D−プシコースは、どのような作用や有効性が確認されているのか? 国際希少糖学会によれば、様々な食品に微量含まれているノンカロリー甘味料D−プシコースの有効作用は、2点に集約できる。

 第1点は「抗糖尿病作用」。糖分解酵素の抑制、ブドウ糖の吸収抑制、肝臓グルコキナーゼの転移促進、β細胞の保護、インスリン抵抗性の改善などの効用だ。

 第2点は「抗肥満・動脈硬化作用」。血清脂質の低下、肝臓の脂肪酸合成酵素の抑制、動脈硬化開始因子 MCP−1の分泌抑制、コレステロール逆転送系の活性化、腹腔内脂肪の蓄積抑制などのエビデンスが確認されている。

 このような先見的な研究開発の機運を受けて、香川県は希少糖D−プシコースの普及に積極的に取り組んできた。2014年3月、「かがわ希少糖フェア2014」を開催し、希少糖含有シロップ「レアシュガースウィート」の展示販売、血糖値の測定や健康相談、香川大学教授による希少糖講座、希少糖スイーツの試食などを実施。

 希少糖の生産や試験研究を行う企業誘致を推し進め、希少糖産業の基盤形成に尽力しているところだ。

 さらにD−プシコースの快進撃は止まない。今年3月31日、公益社団法人日本薬学会は、パシフィコ横浜で「広がる『夢の糖』希少糖の世界:産学官連携によるアカデミア発シーズを用いた実用化への道」シンポジウムを開催、希少糖D−プシコースへの理解と普及を強力にバックアップした。

 シンポジウムでは、でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカー松谷化学工業(本社:兵庫県伊丹市)の飯田哲郎主任研究員が「希少糖D−プシコースを用いたメタボ対策への臨床的アプローチ」と題して講演。臨床試験にスポットを当て、D−プシコース摂取後の食後血糖値上昇の抑制作用など、最新の知見を紹介した。

 続いて、香川大学医学部の徳田雅明教授、名城大学薬学部の豊田行康准教授、長崎県立大学看護栄養学部の永田保夫教授、徳島文理大学香川薬学部の伊藤康一教授らが登壇。長期摂取試験によって確認された生活習慣病関連因子の変動や機能性食品D−プシコースのポテンシャリティを分かりやすく解説した。

 超高齢化社会が近い。生活習慣病の予防が急がれる。抗肥満、抗糖尿病、抗動脈硬化、抗酸化、アンチエイジング……。世界が注目する機能性食品D−プシコースは、新たなウエーブを巻き起している。

 もうひとつ、血圧上昇の抑制作用、抗酸化作用、アンチエイジング効果が認められているのがD−アロースの開発だ。機能性食品だけでなく、医薬品や化粧品の実用化へ向けて、エンジンがかかった。

 香川発、世界市場に向けた初の希少糖開発は、未来にどのような福音を伝えようとしているの見守りたい。
(文=編集部)

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