「暑さ指数(WBGT)」の認知度はわずか24%
今夏も猛暑になりそうだ。熱中症のリスクは学校だけでなく職場にも家庭にもある。職場や家庭の熱中症対策は大丈夫だろうか? 安全衛生用品の通販サイト『ミドリ安全.com』は、安全・衛生に関わる職場で働いている男女500人を対象に『職場の熱中症対策のオンライン実態調査』(5月25日~28日)を実施した。
調査によれば、職場の熱中症対策は、「毎年定期的に教育や指導が行われている=58.4%」、「特に何も行われていない=27.4%」、「現場に配置された当初だけ行われている=13.4%」だった。
熱中症に関係する指標である「暑さ指数(WBGT)」は、「よく知っており業務に活用している=24.0%」と、認知度はかなり低い。暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature/湿球黒球温度)は、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標。人体の熱収支に与える影響の大きい気温、湿度、日射・輻射などの熱環境の3つの要因を取り入れた熱中症を判断するひとつの目安だ。
WBGTを活用している職場で、この指数が高い時に行う対策は、「休憩の間隔や休憩時間を長くする=64.2%」、「暑い時間帯の作業を避ける=57.5%」、「暑い時間帯には負荷の低い軽作業に切り替える=55.0%」だった。
職場で行っている熱中症対策は、「水分を摂取する=72.4%」、「クーラーや扇風機で周囲の環境を冷やす=67.2%」、「作業環境の気温や湿度を測定する=46.4%」、「塩分を摂取する=41.4%」、「冷却グッズで体を冷やす=32.4%」だった。
熱中症対策としての水分と塩分の補給は、「必ず摂取するルールがある=16.8%」、「ルールはないが自主的に摂取するよう奨めている=59.8%」、「ルールはなく自主的な摂取も奨めていない=17.8%」だった。
熱中症になった時の応急措置に準備しているものは、「飲料水=57.4%」、「経口補水液=42.2%」、「冷却剤(保冷剤)=39.0%」、「特に準備していない=17.8%」だった。
このように、健康意識が比較的高いと思われる職場でも、熱中症対策の教育や指導が徹底しているとは言いがたい状況だ。