2016.06.24
果たして緑の光が片頭痛にとって本当に“光明”となるのか?
頭痛専門医でもある近畿大学医学部附属病院神経内科の西郷和真医師は次のように解説する。
「片頭痛の誘発因子に、前兆に光過敏、音過敏が有名ですが、この研究では、その内容に1歩踏み込んで、どの色・波長が、片頭痛に悪い影響を与え、どの色・波長が片頭痛によい影響があるかを示しています。また片頭痛が脳の後頭葉にある視覚野と呼ばれる所がゆっくり興奮する皮質拡延性抑制(cortical spreading depression:CSD)とも関係している可能性もあります。今後の他の施設による追試の研究による検証が待たれます」
果たして緑の光が片頭痛にとって本当に“光明”となるのか? 片頭痛用の治療機器やサングラス、はたまた巨大な緑の光部屋などが開発されるのか? 今後に期待したい。
(文=編集部)
西郷和真(さいごう・かずまさ)
近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授、近畿大学医学部附属病院神経内科。1992年、近畿大学医学部卒業。近畿大学附属病院、国立呉病院(現国立呉医療センター)、国立精神神経センター神経研究所、米国ユタ大学博士研究員(臨床遺伝学を研究)、ハワードヒューズ医学財団リサーチアソシエイトなどを経て、2003年より近畿大学神経内科学講師および大学院総合理工学研究科講師(兼任)。2015年より現職。東日本大震災後には、東北大学地域支援部門・非常勤講師として公立南三陸診療所での震災支援勤務も経験、2014年より現職。日本認知症学会(専門医、指導医)、日本人類遺伝学会(臨床遺伝専門医、指導医)、日本神経学会(神経内科専門医、指導医)、日本頭痛学会(頭痛専門医、指導医、評議員)、日本抗加齢学会(抗加齢専門医)など幅広く活躍する。
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