プールサイドのカルキ臭がヤバイ理由~その正体は「危険な刺激物質」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
pool.jpg

カルキ臭の正体は危険な刺激物質? (shutterstock.com)

 これからの季節、プールサイドから薫るカルキ臭を“夏の風物詩”のひとつと感じる人は少なくないだろう。

 ところが、この風情がもたらすある危険性についてご存じだろうか? 

 「プールで吸い込む空気は“塩素臭がする”と皆さんは思われているかもしれない。それは、実際には塩素ではなくて、主に尿と塩素が混じりあうことで生じる『トリクロラミン』という『消毒副生成物(DBP)』の一種だ」

 こう語るのは、米サウスカロライナ大学のSusan Richardson氏である。

 同氏らは最新の研究で、プールを清潔に保つための消毒液は、利用者の汗やパーソナルケア製品、さらに尿と混じることで「危険な消毒副生成物」を生じる可能性をつきとめたばかりだ。

 「このトリクロラミンは、水中から空気中へと移行しやすい刺激性物質で、風邪や喘息のリスクを高めうる可能性をもつ」

 「換気される屋外では比較的心配はないが、それでも混雑している場合は注意したほうがいい。屋内プールでは換気が肝要で、水は頻繁に入れ替えるべきだろう」

 Richardson氏らは今回の研究に際し、公共および私有のプールに加えてスパ施設も対象に選び、それぞれ通常時および混雑時の使用後に水を採取して調べた。

 結果、100種以上のDBPが認められ、平均すると水道水のほうが「消毒済み」のプールの水よりも清潔である事実もわかった。

夏のプールで風邪をもらう!?

 Richardson氏の説明によれば、DBPには細胞の遺伝子を傷つける「変異原性(mutagenicity:遺伝子毒性ともいう)」があることが従来の実験で確認されている。

 実際、定期的にプール通いをしている人は、膀胱がんや呼吸器障害のリスクが高い傾向を示した既存の報告もある。

 今回の調査結果でも、変異原性はプールの水で2倍あり、スパの水では4倍という事実が判明した。

 つまり水温が高いほど「DBPの生成が早まる」と結論づけられた。彼らの研究成果は、『Environmental Science & Technology』(オンライン版)に掲載された。

子どもが発熱してもあわてない! 薬を減らして免疫力を育てよう
インタビュー「飲むべきか、飲まざるべきか、それが薬の大問題」第1回・とりうみ小児科院長・鳥海佳代子医師

過剰医療を招く一因ともいわれる、わが国の医療機関への「出来高払い制」。国民皆保険制度によって恵まれた医療を享受できる一方、<お薬好き>の国民性も生み出す功罪の両面がある。薬は必要なときに、必要な分だけ――限りある医療資源を有効に使う私たちの賢い選択とは? とりうみ小児科の鳥海佳代子院長に訊く。

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

日本中毒学会評議員(同学会クリニカルトキシコロジ…

横山隆

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curti…

三木貴弘