糖尿病治療やダイエット効果で注目を集めるホルモン「レプチン」は、多すぎても少なすぎても危険!?

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レプチンはダイエットの強い味方として注目を集めるホルモンだが……(shutterstock.com)

 「レプチン」というホルモンをご存じだろうか?

 1994年に発見された脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脳の視床下部に作用して満腹感を感じさせたり、交感神経を活性化してエネルギーの消費を増加させるなどの働きがあり、ダイエットの強い味方として注目を集めている。さらに最近では、レプチンには血糖値を下げる作用があることが明らかになり、インスリンが効かないタイプの糖尿病の治療薬としても期待されている。ちなみに「レプチン」という名はギリシャ語で「痩せる」を意味する「leptos」に由来する。

 しかしこのほど、子宮内でのレプチンへの曝露により小児期の「2型糖尿病」の発症リスクが高まる可能性が、マウスを用いた基礎研究で示唆された(論文はオンライン版「Cell Reports」3月24日に掲載)。

胎児期のレプチン曝露によって糖尿病発症リスクが高まる?

 この研究では、米南カリフォルニア大学ロサンゼルス小児病院のSebastien Bouret 氏率いる研究チームが、母親マウスにレプチンを注入し、その影響を観察したところ、仔マウスの脳幹から膵臓までの神経の成長に恒久的な変化が生じ、成長後のマウスのインスリン分泌に長期的な悪影響を及ぼすとの結果が示された。

 膵臓はインスリンを産生し分泌する器官だ。インスリンには血糖値をコントロールする働きがあり、この分泌が十分でないと糖尿病の発症につながる。Bouret氏は「脳から膵臓への『コミュニケーション』が破綻すると、成体マウスにおける血糖調節あるいは恒常性の維持が難しくなる」と述べている。

 同氏は、基礎研究の結果は、必ずしもヒトに当てはまるとは限らない点を強調しつつも、肥満の母親から誕生した新生児はレプチン値が高いことも報告されていることから、「子宮内でのレプチン曝露が、小児期の2型糖尿病や肥満リスクを高める要因の1つである可能性がある」と述べている。
 
 それにしても、食欲を抑制し、血糖値を下げる作用がありながら、糖尿病の発症リスクや肥満リスクを高めるとは、レプチンとは実に複雑な物質だ。くわしい機序については今後の解明が待たれるが、ここにはレプチンの持つ、ある性質が関与していると思われる。その性質とは何か?

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