方向音痴はアルツハイマー病の初期症状!? 「帰巣シグナル」が発信される脳の嗅内皮質に影響か?

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空間認知能力に個人差がある理由

 ところで、初めての場所でも難なく道を見つけることができる人もいれば、迷ってしまう人もいる。方向音痴な人とそうでない人の違いはどこにあるのだろう?

 一般的に「男性に比べて女性のほうが方向音痴が多い」ということがよく言われているが、決定的なことはわかっておらず、男女差よりも個人差の方が大きいという見方もされている。

 最近の英国の研究で、方向感覚の個人差には脳内の嗅内皮質(海馬の周囲に存在する灰白質に含まれている組織)が関係していることが示された。

 被験者に目的地までの道を見つける課題に取り組んでもらい、fMRIにより脳の活動を調べたところ、嗅内皮質から進むべき方向を教える信号=帰巣シグナル(homing signal)が発信されていることがわかった。そしてこの信号の質が方向感覚に影響していており、強く一貫した信号が発せられていれば道に迷わないという。

 嗅内皮質はアルツハイマー病の影響を最初に受ける部分のひとつであることを考えると大変興味深い。Head氏の言うとおり、いずれは方向音痴テストでアルツハイマーを早期に検出できる時代がくるかもしれない。
(文=編集部)

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Doctors marche アンダカシー
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精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

医療法人社団 三喜会 理事長、鶴巻温泉病院院長。…

鈴木龍太

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

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