方向音痴はアルツハイマー病の初期症状!? 「帰巣シグナル」が発信される脳の嗅内皮質に影響か?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

空間認知能力に個人差がある理由

 ところで、初めての場所でも難なく道を見つけることができる人もいれば、迷ってしまう人もいる。方向音痴な人とそうでない人の違いはどこにあるのだろう?

 一般的に「男性に比べて女性のほうが方向音痴が多い」ということがよく言われているが、決定的なことはわかっておらず、男女差よりも個人差の方が大きいという見方もされている。

 最近の英国の研究で、方向感覚の個人差には脳内の嗅内皮質(海馬の周囲に存在する灰白質に含まれている組織)が関係していることが示された。

 被験者に目的地までの道を見つける課題に取り組んでもらい、fMRIにより脳の活動を調べたところ、嗅内皮質から進むべき方向を教える信号=帰巣シグナル(homing signal)が発信されていることがわかった。そしてこの信号の質が方向感覚に影響していており、強く一貫した信号が発せられていれば道に迷わないという。

 嗅内皮質はアルツハイマー病の影響を最初に受ける部分のひとつであることを考えると大変興味深い。Head氏の言うとおり、いずれは方向音痴テストでアルツハイマーを早期に検出できる時代がくるかもしれない。
(文=編集部)

バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子