牛乳の「体に悪い」「完全栄養食品」説の真実〜“本当の”牛乳アレルギーは命にかかわる

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牛乳アレルギーの子どもに注意したいこと

 しかし、今年4月に『Pediatrics』誌に掲載された論文で、ショッキングな研究結果が発表された。牛乳アレルギーの子どもは、他の食品アレルギーの小児に比べて、骨が弱い可能性があることがわかったというのだ。

 この研究を発表したのは、モントリオール大学(カナダ)准教授のGenevieve Mailhot氏ら。

 食物アレルギーのある思春期前の小児81人を調査し(対象児の平均年齢は約7歳で、52人に牛乳アレルギー、29人にそれ以外の食物アレルギーがあった)、対象児の骨密度と骨の健康に欠かせない血液中のビタミンD濃度を評価した。

 その結果、牛乳アレルギー群では6%に骨密度低下が見られたが、他のアレルギー群では骨密度低下は認められなかった。牛乳アレルギー群ではカルシウム摂取量も1日930mgと、他のアレルギー群の1435mgに比べて少なかった。

 なお、牛乳アレルギー群でカルシウムサプリメントを摂取している子どもは37%、ビタミンDサプリメントを摂取している子どもは44%に留まったが、摂取している児では平均摂取回数が週5回以上と、良好に服用されていた。

アレルギーの場合は他で摂取

 今回の知見は、牛乳アレルギーと骨密度低下の因果関係は示しておらず、また骨折を心配するほどの骨密度の差は認められなかったというもの。

 だが、Mailhot氏は「子どもが牛乳アレルギーの場合、大豆、アーモンド、カルシウム強化オレンジジュースなど、他のカルシウムが豊富な食品をとらせるようにしたい」と話している。牛乳アレルギーの子どもを持つ親は心したい。

 ちなみに、「牛乳をたくさん飲めば背が高くなる」というのはいささか乱暴な説だ。骨を丈夫にするカルシウムが多い牛乳は、たしかに成長期に有効な食品だが、運動や睡眠など、身長を伸ばすためにはほかにもたくさん必要な要素がある。
(文=編集部)

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