通年性鼻炎の原因の9割がダニ(shutterstock.com)
花粉症の時季が過ぎても鼻がグスグス。通年、鼻炎に悩まされている人がいる。
もしかすると、その不調の原因は、室内に巣くっているダニが関係しているかもしれない。
アレルギー性鼻炎の主な症状は、くしゃみと鼻水、鼻づまり。花粉症とは異なり、年中こうした症状がある。
そんな通年タイプのアレルギー性鼻炎の患者は、年々増加傾向にあり、とりわけ10~20代の若者に多い。『鼻アレルギー診療ガイドライン』(監修・馬場廣太郎、2009年版)によると、通年性鼻炎は10~19歳で36.6%、20~29歳で36.8%。約4割を占める。
そして、驚くことに、その原因の9割以上がダニという。
ハウスダストにはダニの死がいや糞が……
アレルギー性鼻炎はどうして起るのか?
抗原(花粉やハウスダストなど)が鼻に入ると、体のなかに抗体(IgE抗体)が作られる。これが鼻の粘膜の肥満細胞(マスト細胞)というアレルギーを発症する細胞に付いて待機する(感作)。
この状態で再度、体に抗原が入り、抗体に反応してヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出され、さまざまな症状が起こる。アレルギー反応が起きるのかどうかは、その人の体質にもよる。だが、ダニやスギ花粉では、50%の人が感作されているというデータもある。
アレルギー性鼻炎患者の各種アレルゲンのIgE抗体の陽性率(2002年の調査)は、ハウスダスト(65.9%)と最も多く、ヤケヒョウダニ(63.1%)、スギ(57.1%)が上位を占める。
ハウスダストは、目に見えない小さなほこりのこと。室内で発生するハウスダストには、ダニの死がいや糞などがまとわりつく。アレルゲンとなるのは、そのほかにもペットの毛やカビ、細菌、花粉などさまざまだ。