膠原病を疑わせる検査所見は何?
――膠原病を疑わせる検査所見は何でしょうか?
膠原病が疑われる場合のスクリーングとして、抗核抗体やリウマトイド因子などが挙げられます。リウマトイド因子はリウマチ反応ともいわれ、RFとも略されます。健診などでも測定されることもあります。
診断に最も重要なのは、経過や症状であり、抗核抗体やリウマトイド因子の結果は参考にはなるものの、絶対的な指標ではありません。
よく健診でRF陽性とのことで、我々の外来にいらっしゃる患者さんもいるのですが、関節の腫れや痛みが伴わなければ、関節リウマチとは診断できません。
関節リウマチでは7-8割がRF陽性となりますが、正常人でも1〜5%程度で陽性、高齢者はより陽性率は高くなりますし、関節リウマチ以外の膠原病や感染症などでも陽性になることがあります。
――膠原病といっても、ひとくくりで説明できないことが、この病気の大きな特徴なのですね。
最終回は、関節リウマチのめざましい治療法を中心についてお伝えします。
(取材・文=夏目かをる)
田中栄一(たなか・えいいち)
東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター膠原病リウマチ内科・講師。1994年、滋賀医科大学医学部卒。専門は関節リウマチのコホート研究、関節リウマチの医療経済学。