心身症?成長痛?関節の痛みから、次第に背骨が動かなくなる...恐ろしい強直性脊椎炎

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【ビジネスジャーナル初出】(2014年9月)


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腰痛の中には重大な病気も 写真:[gajus]/123RF.COM


 体の不調でたびたび会社を休んだりすると、「あいつは怠け病だ」などというレッテルを貼られてしまうようなことがある。とかく一般には馴染みのない病気への周囲の無理解は、体調不良の本人には辛いものだ。腰痛や坐骨神経症と間違われやすい「強直性脊椎炎(AS)」と呼ばれる病気も、こうした誤解を受けやすい病気のひとつだが、症状をコントロールできる病気なので、一日も早い診断が重要になってくる。
 
 この病気は、リウマチ性疾患である脊椎関節炎の代表的疾患で、最初のころは首から背中、腰にかけての痛みやこわばり、ときには手足の関節の痛みだったものが、次第にこうした部位が動かなくなってくる。安静にしているよりも体を動かしたほうが痛みが軽くなるのが特徴だという。腰痛や坐骨神経痛と間違われることも少なくないのは、こうした症状によるのだ。

 特に初期は症状の出方に波があり、痛くて寝込んでいても翌日になると運動ができるようなことがあり、これが周囲から「腰痛だといっていたのに怠け病じゃないのか」と誤解を受けるようなことにつながるわけだ。過去の全国調査でも、「心身症」「自律神経失調症」「成長痛」「疲労」といわれたり、中には医師により「怠け病」 と診断され、精神科に通院した不幸なケースもある。欧米では1万人に20人程度の患者がいるといわれるが、日本では1万人に4人程度と考えられ、発症年齢は10~35歳に多く、45歳以上でもまれに発症する。比較的男性に多い(男女比8:1程度)。日本では"希少疾病"であるため、診たことがない医師も多く、発症から確定診断まで10年もかかるケースがあるほどだ。

●相談はリウマチや膠原病治療の専門医へ

 重症になると、脊椎を構成する椎体が背骨全般にわたってくっついてしまい、次第に動かなくなっていくことがある。発症から10~20年かかって背骨が動きにくくなり、体が前傾気味になり、体を反らす、上を見上げる、首を逸らしてうがいをするといった動作に支障(可動性消失)が出てくる。

 患者ではヒト白血球抗原(HLA)のB27型の陽性率が高いことから、なんらかの遺伝的要因が病気のなりやすさと関係しているとされている。こうした遺伝的要因に細菌感染などで免疫異常が加わって発症すると考えられているが、原因不明のため消炎鎮痛剤で関節部の炎症を抑えたり、痛みは運動によって改善することから運動療法がとられている。
 
 2010年にはTNF阻害薬(生物学的製剤)が痛みや炎症に効果を示すことから、保険適用となったため治療の選択肢が広がってきており、症状やライフスタイルに応じて痛みをコントロールして生活することも不可能ではなくなってきている。若者であれば、せっかくの青春時代を病院めぐりに取られてしまうし、働き盛りで発症してしまっても職場での身の置き場に困ることにもつながる。受診するとしたらリウマチや膠原病の専門医がいる医療機関が望ましい。

 原因のわからない腰痛や背中の痛みが続くようであれば、希少疾病だから自分には関係ないと思わずに疑ってみることも必要だろう。

 患者会の「日本AS友の会」で詳しい情報を得ることができる。
(文=チーム・ヘルスプレス)

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