内分泌をかく乱する環境ホルモン、ビスフェノールAは怖い!
一方、今回の研究では、ファストフードとプラスチック包装に含まれる化学物質のビスフェノールA(BPA)の因果関係は認められなかった。だが、ファストフードの肉類を食べた人は、食べない人よりもビスフェノールAの濃度が高かった。
ビスフェノールAとは何か?
内分泌かく乱物質と呼ばれるビスフェノールAは、ヒトの内分泌(ホルモン)作用をかく乱する環境ホルモンだ。
80年以上前の1936年、Dodds博士がすでに発見していた。だが、環境ホルモンの存在を世界に知らしめたのは『奪われし未来』(シーア・コルボーン/翔泳社)だ。ポリカーボネート樹脂から溶出したビスフェノールAが女性ホルモンの作用をかく乱した事実に触れて空前のベストセラーになった。
1998年、米国のVom Saal博士は、妊娠したマウスに微量のビスフェノールAを与えたところ、生まれたオスの仔の前立腺重量が増加し、精巣重量が低下していたと発表。2004年、環境省が公表した『環境ホルモン問題への環境庁の対応方針について』は、ビスフェノールAを内分泌攪かく乱作用がある化学物質に指定している。
ただ、厚生労働省は、低用量のビスフェノールAの作用を検査するため、ラットを用いた2世代生殖毒性試験を行い、影響のないことを確認。環境省も1世代生殖毒性試験を行い、低用量のビスフェノールAの作用よる影響のないことを確認した。
しかし、これらの試験は、動物実験によって低用量のビスフェノールAの作用を確認したに過ぎない。
ファストフードを食べ過ぎたら、有害化学物質のフタル酸の濃度も、環境ホルモンのビスフェノールAの濃度が急上昇する事実は決して揺るがない。ファストフードを習慣的に過剰摂取すれば、糖尿病、がん、心筋梗塞、うつ病などの発症リスクを高めることにつながるのは確かだ。
GW中マックやKFCなどに行く人も多いだろう。ファストフードが大好きな人は、要注意だ。
(文=編集部)