高額の保険料が下りるのはレアケース!?
では実際に、どれだけの人が先進医療を受けているのだろうか?
先進医療の中でも技術料の高い、がんの「重粒子線」「陽子線」治療を受ける患者数はここ数年で増え続け、2014年には4555人となり5年間で2.3倍以上も伸びた。
ただ、それでも先進医療全体の19%にすぎない。ちなみに、先進医療で実施件数が最も多いのは「白内障治療」で、費用は50万円ほどだ。
また、それぞれの先進医療技術の対象患者のうち、実際に先進医療を利用している人は全体の1%に満たないといわれている。
結論を言えば、先進医療は技術や条件、対象となる病院も限定されており、実際に保険から多額の給付を受けられる事例は非常に少ないのだ。100円程度の保険料で数百万円の先進医療を受けた人への給付が成り立つとすれば、実際に給付金を払う確率が非常に低いからこそである。
となると、先進医療特約に加入したいがために、加入中の割安な保険を解約して、特約がセットになった保険に加入し直すことは、損をするばかりで意味がないといえる。そうではなく、現在、保険への加入を検討しているのであれば、先進医療特約付きの保険を選ぶと安心かもしれない。
加入する際の注意点としては、がん保険に付加できる先進医療特約は、がん治療にかかわる先進医療しか対象とならないこと。がん以外の病気までカバーするためには「がん保険」ではなく「医療保険」に先進医療特約を付加する必要がある。
また、先進医療を受ける患者は年々増えており、それに伴って保険料が値上がりする可能性が高い。更新型の場合はそのつど保険料も上がるので、更新時にきちんと確認しよう。
(文=編集部)