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世界的キーボード奏者のキース・エマーソンさんを自殺に追い込んだ「職業病」とは?

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3月11日に亡くなったキース・エマーソンさん(写真は公式Facebookより)

 世界的キーボード奏者のキース・エマーソンさんが3月11日未明、カリフォルニア州サンタモニカの自宅で亡くなった。享年71。発見されたとき彼の頭に銃創があったことから警察は自殺であると判断した。4月にはバントによる来日公演が控えていた。

 キースさんは1970年代、プログレッシブ・ロックの代表的なバンドの一つ、エマーソン・レイク&パーマー(EL&P)の一員として世界的に活躍した。シンセサイザーをロックに初めて取り入れたキースさんの演奏はクラシックとジャズの要素を取り入れたテクニカルなもので、キーボードにナイフを突き立てたり、グランドピアノごと回転したりといった派手なパフォーマンスぶりもあって、ロックのキーボード奏者としては伝説的な存在であった。

 キースさんと日本との縁は深かった。バンドによるいくつかの日本公演のほか、1983年の映画『幻魔大戦』のサントラを担当したり、「The Land Of Rising Sun (日出ずる国へ)」 という曲を東日本大震災のあと被災者に捧げたり、EL&P時代の代表曲「タルカス」のオーケストラ版が大河ドラマ『平清盛』に使用されたりしていた。また、晩年、彼は川口真理さんという日本人女性を連れ添っていたことでも知られている。

キースさんを苦しめミュージシャンの1割が煩っている職業病とは?

 3月11日午前1時30分頃、キースさんの遺体を発見した川口さんは語る。以下は英「デイリー・メール」紙に記されたコメントを抜粋したものである。

 「ここ数年、右手と右腕に問題を抱えていたのです。数年前、病気の筋肉を取り除く手術を受けたのですが、彼の右手の痛みと神経の問題は悪化していきました」

 彼が煩っていたのは局所性ジストニア。特定の動きを行うときにのみ、意図する箇所とは別の筋肉が動いたり、動きに必要な筋肉が必要以上に収縮したりする。ギタリストやキーボード奏者の指、管楽器奏者の唇、ドラマーの足、歌手の喉といったミュージシャンの楽器といえる部位ならばどこにでも発症するという特徴を持つ。一説によると、彼らの1割が煩っているといわれている「職業病」である。

 原因のひとつに、過度な演奏行為が挙げられる。指や手といった特定の部位を動かしすぎることで、神経伝達機能に過剰な負荷がかかってしまい、煩ってしまうのだ。主な治療方法には以下のようなものがある。

●ボトックス(ボツリヌス注射)
●MAB(muscle afferent block)療法:リドカインとエタノールを注射し筋感覚神経をブロックする
●定位脳手術
●反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS )

 そのほか投薬による治療、理学療法(マッサージ・鍼灸・電気療法など)、ストレスコントロールといった治療法がある。完治したミュージシャンもいるが、これという決定的な治療法はいまだに確立されていない。

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