肌のバリア層を破壊して侵入する化粧品のタルク
卵巣がんで死亡したミズリー州の女性も数十年にわたってタルク含有製品を使用していたとのことです。タルクと卵巣がんとの関連では、1995年にアメリカのチャンドラー博士が「タルクは卵巣がん、卵管繊維症、不妊の原因となる可能性がある」(医学誌JAMA)と、指摘しています。
実は1930年代まで、手術用の手袋を使う時に滑りをよくするために、タルクを手袋に付着させていました。しかし、術後の患者が肉芽腫性腹膜炎などを起こすこととの関連性が疑われ、タルクの使用をやめたという経緯もあるのです。
化粧品は皮膚に塗るだけで、タルクは体内に侵入しないのだから問題はないという指摘もあります。しかし、今のタルクは以前と比較にならないほど微細化しています。しかも、今の化粧品は美白成分などの有効成分を肌の奥まで浸透させるために、合成界面活性剤で肌のバリア層を破壊しています。
バリア層が破壊されれば、タルクなどの成分が体内に侵入していきます。その結果がどうなるかは、手術用の手袋のケースでも明らかです。
「ベビーパウダー」などは、ただれ防止によく赤ちゃんの性器の周りにもパタパタつけていますが、最悪です。性器の粘膜には異物を体内に取り込まないようにするバリア層はありませんから、赤ちゃんの体内にもろにタルクを取り込んでしまうことになるからです。
そして、もうひとつ重要なことを指摘しておきます。タルクは酸化チタンと併用されることが多い化粧品成分で、その酸化チタンは今、ナノサイズ化されています。なんと毛髪の直径の10万分の1という長さです。ここまで物質が「ナノ化」されますと、人体を異物から守るブロック機能は役にたちません。
2009年に東京理科大学薬学部ナノ粒子健康科学研究センターは、ナノ化した酸化チタンをラットに投与した実験結果を発表しています。それは「酸化チタンのナノ粒子が次世代の脳神経や生殖系に悪影響を与える」というものです。妊娠中や子どもを作りたい人は、タルクや酸化チタンが含まれている化粧品や食品は、避けるべきでしょう。