切らずに治せて術後もラク! 痛みの少ない日帰り根治法も
このような薬で症状を抑えられない時は、外科治療があるが、必ずしも切る必要はない。どのような治療法があるのだろうか?
あまり大きくなく軟らかい内痔核の根元をゴムで縛って壊死させるゴム輪結紮(けっさつ)、脱出する大きな内痔核に薬剤を注射して縮小させるALTA(内痔核硬化)療法などが有効とされている。
ALTA(内痔核硬化)療法は、硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸(ALTA)を患部に注射し、痔核を直腸の粘膜に固定・退縮させて、痔核の脱出・出血症状を改善する治療法だ。メスを使わず、切らずに治せる。
だが、ゴム輪結紮やALTA療法は外痔核には使えない。したがって、内痔核と外痔核がひとかたまりになっている場合は、超音波メスを使って外痔核を歯状線の少し上までを切るか、または糸で分割して縛る方法が併用される。この術式なら、止血効果が高く傷跡も残りにくいだけでなく、術後の痛みも少なく、手術の翌日から普段の生活に戻れる。
一方、切れ痔の手術では、日帰り手術での振り分け結紮がある。振り分け結紮は、炎症で硬くなった組織を糸で縛って壊死させ、新しい組織を出す方法だ。肛門が狭まり排便後の痛みが持続する患者が対象になるが、潰瘍化した切れ痔の傷が治りやすいとされる。
また、あな痔の手術は、瘻管(ろうかん)のある部位により異なるが、瘻管が括約筋の間を下に伸びる最も一般的なあな痔は、シートン法による日帰りの根治手術が可能だ。
シートン法は、瘻管に細いゴムひもを通し、体の外で結ぶ方法だが、ゴムひもの上のほうから組織修復が促されるため、下側の組織が徐々に切り離される。さらに、化膿菌の温床になる血液や滲出液(しんしゅつえき)を体外に出すことも同時に行えるのが長所だ。一定の間隔で通院し、ゴムひもを締める必要があるものの、ゴムの違和感などは特にない。
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(文=編集部)