子どもは椅子に縛り付けない方がいい
子どもの問題行動が減るという報告も多い。ニュージャージー州の公立小学校では、授業中に行く必要もないのにトイレに立ったり、鉛筆を投げたりといった行動に対応しようと、スタンディング・デスクを段階的に導入。その結果「私語をしたり、教室内を歩き回ったりする問題行動が驚くほど減った」(同校教員)という効果が表れた。
さらに2〜4年生の児童約300人を対象に1年にわたって実施した調査によると、スタンディング・デスクを導入した教室では、授業への集中度が12%向上するという結果が出た。児童が教師の話を聞いているかどうか、挙手したり発言したりするかどうかで測ったもので、これでいくと児童が学業に集中できる時間が1時間当たり7分も伸びることになる。
そもそも子どもはエネルギッシュな存在だ。机と椅子に縛り付けられ、動くと叱られてストレスを感じるより、立って身体を動かせる状態で学ぶほうがやる気と集中力が続くようだ。その意味で、スタンディング・デスクによる恩恵は大人よりもずっと大きいのかもしれない。
スタンディング・デスクが子どもたちの健康や学業成績に与える影響についてはさらに研究を進める必要がある。子どもの身体にもメンタルにも良い影響があるとすれば、ぜひ日本でも積極的に取り入れてほしいものだ。
(文=編集部)