つんくチルドレンが続々と第一子を出産~第一子をめぐる“神話”と拍子抜けの事実

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

第一子特有の性格はあるのか?

 一方、世界中に伝わる従来の通説を覆した最新の研究例も紹介しておこう。ドイツのライプツィヒ大学発の論文で昨秋の『米国科学アカデミー紀要』(11月7日号)に掲載されたもので、優に100年の歴史を持つ関心事“第一子特有の性格はあるのか?”の検証結果だ。

 概ね「知力が高い/外交的/責任感が強い」が従来の第一子優位説の共通点だが、大半は調査対象の数や検査方法が疑問視されてきた。

 だが、今回の「出生順の性格に及ぼす影響についての研究」はドイツ・米国・英国の大規模出生コホート(経年追跡調査)のデータベースを使って家庭内の兄妹比較が3256人、全体比較で17030人対象という本格的なもの。

 結論を記せば、知能テストは出生順で低下するもののIQにして(たかが)1.5程度の僅差。それ以外の想像力/外向性/寛容性/心理的安定性も総じて兄弟姉妹間の大差は認められなかった(家庭内比ではIQ差が多少大きく、第二子の闘争性が高いとの副産物も)。

晩産傾向が少子化を誘引?

 国内の話題としては、ニッセイ基礎研究所生活研究部のサイト報告「第一子出産年齢上昇はそんなに問題なのか?データでみる少子化の関係性」(2015年5月)がなかなか興味深い。

 かねてから“晩産化阻止が全ての少子化対策のベースとなるべき”と提言してきた研究員の天野馨南子さん。

 「生殖適齢期への国民的認知の低さ」「医学的な年齢と妊娠の関係」「今までの子育て支援政策に晩産化阻止を主たる目的とした政策がなかった」の3点を指摘。

 人口動態統計を基にした天野分析では「第一子出産年齢の推移」は1975年(25.7歳)~2014年(30.4歳)の40年間で「約5歳の上昇」が見られ、30歳を超える日本の現況はOECD(経済協力開発機構)加盟の34ヵ国中でも年齢の高い組に属して晩産傾向が読めるという。

 冒頭紹介の第一子ママたちの出産年齢を今一度確認すれば、里田まいさん(31)、福田明日香さん(31)、後藤真希さん(30)が近年の平均かややオーバー、プレママの安倍なつみさん(34)は結構高めだ。

 さて、この晩産傾向を「一億総活躍社会」を謳う安倍内閣はどう受け止めるのか。
(文=編集部)

バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子