科学的根拠のない便乗商品も(shutterstock.com)
大手スーパーからコンビニエンスストア、ドラックストアの水コーナーなどで「水素水」が目に付くようになった。棚に並んでいるのはアルミパウチやペットボトルだが、通販などでは自分で作るステックタイプやサーバー、水素水生成器などもあるようだ。
ところで、今さらだが「水素水」ってなんだ?
水素水とは、水素分子(H2)を高濃度に溶かした水のこと。つまり水素が豊富に溶け込んでいる水である。この水素水が「老化を食い止める」働きがあるというが、本当なのだろうか?
老化を加速するものとは?
人の体はどんなに若さを誇っていても40代を境に生体の酸化を食い止める抗酸化力が落ちて、悪玉活性酸素を退治できなくなる。そのため肌の老化ばかりか全身の細胞が不調をきたす。シミやシワ、忘れっぽくなるなど、老化現象のスピードが加速する。
老化を速めるのは生体の「酸化」と「糖化」だ。
日々浴びる紫外線、喫煙、ストレスなどにより、体内の酸素が悪玉活性酸素化して細胞にダメージを与える。シミなどがいい例だ。これがいわゆる酸化による「錆び付き」である。
これに対し糖化は「焦げ付き」とも言われる。食べ過ぎなどで余った糖分がたんぱく質と結合して「AGEs(エイジス)」という老廃物をつくるが、この物質自体が褐色なので、肌のくすみの原因と言われる。また、AGEsは血管を厚く硬くするので動脈硬化や脳梗塞などの引き金になる。
水素水には、老化の原因である悪玉活性酸素と結びつき、汗や尿となって排出する性質があるという。また、AGEsの生成を食い止める働きがあるということもわかってきた。