シリーズ「最新の科学捜査で真犯人を追え!」第11回

毛髪、フケ、体毛、犯人が身に着けていた衣服の繊維……微細な遺留品でも犯人像は丸見え!

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着衣から落ちた繊維を洗えば真犯人が割れる

 繊維の鑑定はどのように行なうのか? 繊維溶解・染色試験は、さまざまな試薬や顔料を加えて、繊維が溶解するかどうか、染色されるかどうかの反応を観察して、繊維の種類を判断する。

 光学顕微鏡を使って繊維の形態を調べる光学顕微鏡検査や、光を照射してどの波長の光をどれくらい吸収するかによって材質を判断するスペクトラム検査(分光学検査)などを併用して繊維の鑑定を進め、犯人や被害者を特定している。

 ちなみに、試薬を使った試験としては、脂質呈色試験やニンヒドリン反応試験も活用されている。脂質呈色試験は、異物に油脂や脂肪などが含まれているかどうかを調べる。たとえば、皮脂(グリセリン脂肪酸エステル)、サラダ油やバターなどの油脂、乳製品、アーモンドなどのナッツ類、ソースなどの加工食品、機械油などだ。

 ニンヒドリン反応試験は、ニンヒドリン試薬を加えて加熱し、試料が青紫色に変色することを確認して、異物にタンパク質やアミノ酸などが含まれているかどうかを調べる。たとえば、肉、骨、軟骨などの組織、フケなどの皮膚片や皮脂、種子胚や豆類、卵や乳製品、グルテンなどだ。また、ニンヒドリン反応試験は、紙に付着した指紋を検出する時にも使われている。
 
 犯行現場は、犯人の痕跡があからさまになる最前線だ。たとえば、体や衣服や寝具などから抜け落ちて溜まった綿ぼこりには、毛髪や繊維、体毛や脂質、垢や爪、唾液や体液など、犯人と被害者が接触した痕跡が必ず残っている。これらを成分分析すれば、部屋を訪問した人物、車のシートに座った人物、被害者と犯人の関係などが特定できる。繊維は真犯人を知っているのだ!

 「見るべき場所を見ないから、それで大切なものを全て見落とすのさ。君はただ眼で見るだけで、観察ということをしない。見るのと観察するのとでは大違いなんだ。基本だよ、ワトソン君」――『シャーロック・ホームズ』コナン・ドイル


佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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