「カンガルーケア」は危険? 低出生体重児には有効性ありの研究結果

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●低出生体重児の場合、カンガルーケアをすると従来のケアよりも死亡率が36%低くなった。

●カンガルーケアは、新生児の敗血症リスクを47%、低体温症リスクを78%、低血糖リスクを88%、再入院リスクを58%下げた。

●カンガルーケアにより、退院時に完全母乳育児である率が1.5倍になった。

 このようにカンガルーケアは、低出生体重児が死亡する危険性を抑え、低出生体重児の合併症として発症しやすい低体温症や低血糖のリスクも減らした。医学的に改めてその良さが見直される結果となったのだ。

 事故や訴訟の報道では、カンガルーケアそのものに問題があると読めるものが少なくない。しかし、誕生直後の新生児は、環境の変化で呼吸や血流が大きく変わるため、もともと不安定なものだ。早期母子接触をする・しないにかかわらず、新生児の急変は起きている。

 全国の「赤ちゃんにやさしい病院」を対象とした実態調査(2010年)では、原因不明のチアノーゼや心肺停止、転落事故のほか、乳幼児突然死の事例も報告されているが、その頻度はカンガルーケア導入によって増加してはいない。

 だが一方で、「分娩室・新生児室における母子の安全性についての全国調査」(2010年)によると、65%の施設がカンガルーケアを実施しながら、事前に妊婦に十分な説明をして同意を得ていたのは48%。実施基準を定めているのは31%、中断・中止する場合の基準を定めているのは40%に過ぎなかった。

 また関係者の間では、ベッドの角度基準がない施設で赤ちゃんがうつぶせ寝の姿勢になる危険性や、医療従事者による観察の不徹底を指摘する声もある。

 カンガルーケアの有効性は認められていても、実施基準が曖昧だったり、人手が足りない医療体制においては、危険因子のひとつとなってしまうかもしれない。

 そうならないためにも、誕生直後の命の危うさを医療スタッフと母親がともに改めて認識し、メリットとリスクを理解したうえ、整備されたサポート体制の元でケアが行われることが大切だろう。
(文=編集部)

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