くも膜下出血で家族が意識不明!医療費・保険・預金口座など「お金」の行方はどうなる?

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 労災保険が適用にならないとなると、頼りは健康保険だ。

 緊急の手術に入院となると、高額な医療費が発生する。医療費の支払いが高額になった場合、後日申請することで一旦払った限度額を超えた金額が戻ってくる「高額療養費制度」が健康保険には存在する。しかし、一時的でも大きな支払は負担だ。

 あらかじめ高額になることが予想される際は、勤務先を通じて「限度額適用認定証」を申請することができる。この認定証を入院先の医療機関へ提出すれば、支払額が自己負担限度額以上になることはない。病院の支払いは月ごとに発生するので、なるべく早く申請し、認定証を取り寄せたほうがいいだろう。

 当初の支払が終わっても、患者の意識が戻らなければ継続的な入院となり、当然に休業状態となる。そのようなときは、「傷病手当」を受けることができる。通常は仕事を休んだ日から数えて4日目より受給でき、その期間は最長1年6か月。勤務先の就業規則に療養中の給与についての規定があるときも、傷病手当の額が給与を上回った場合には、その差額を受け取ることができる。

指定代理人を指名していれば生命保険が請求できる

 入院費としては、生命保険の補償も考えられる。いわゆる「医療保険」「入院保険」といわれるもので、入院に際しては1日当たり5000~10000円の支給される。1回の入院で60日程度を限度としており、入院費とは別に手術給付金が設定もされていることも多い。

 ただし、気をつけなければいけないことがある。加入している保険が、指定代理人制度をとっているかどうかだ。生命保険の請求権は、当然、契約者である患者本人にある。本人の意思が確認できない限りは、たとえ親族といえども保険請求はできない。

 だが、事前に指定代理人を指名しておけば、意識不明など“特別な事情”が起こったときに、契約者に代わって傷害保険や入院保険を請求・受給することができるのだ。現在、保険に入っている、または保険加入を検討している人は、万が一に備えて一考すべきだろう。

法定後見人は患者の預金口座も動かせる

 医療費の充填として、患者本人の預貯金を思い浮かべることもあるだろう。特に、患者の意識が戻らず、医師から「回復が難しい」と言われたときなどは、すぐにお金の管理を始めなければ、と考えるのも無理はない。

 だが、本人が存命中は、他人が銀行口座を動かすことは原則としてできない。先の保険契約と同様、預貯金もまた患者本人と金融機関との契約なのである。事前に委任状などを用意しているのであれば別だが、本人が存命である限りは、契約者しか取引を行えないのだ。

 それでも引き出しなどを考えるときは、「成年後見人」を申し立てるしかない。成年後見人制度とは、認知症や障害などで判断能力が不十分な人に代わって、財産の管理や様々な契約を締結する代理人を認定する制度だ。意識不明者に関しては「法定後見人制度」が相当する。

 法定後見人は、四親等以内の親族であれば申請ができる。本人の住所地にある家庭裁判所に必要書類を提出し、裁判所からの調査などを経て後見人として選任されれば、本人の預貯金の管理も含め法律的な行為を代理することができる。回復に長期間かかるとなれば、転院や新たな施設への入所手続きが必要だ。成年後見人になっていれば、こういった手続きもスムーズに進められるだろう。

 これらの手当や手続きについては、病院のソーシャルワーカーや役所の専門員などが詳しい。成年後見人の申し立てを、親族に代わって申請してくれる司法書士もいる。より現実的な悩みがあれば、家族会などへの相談も有効だ。

 脳血管疾患や心疾患は、突然訪れる。親族や周囲の人間が急な発症にパニックを起こし、どうしていいかわからなくなるのは当然だ。せちがらい話だが、そんなときでも手術費や入院費などの現実的な問題は避けられない。もしものとき、こんな助けがあるのだと知っておくのは悪いことではない。
(文=編集部)

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