研究では、死亡率が下がる原因は不明としているが、コーヒーに含まれるポリフェノールのクロロゲン酸が少なからず関与しているのではないだろうか。
コーヒーに含まれる成分といえば、真っ先にカフェインを思い浮かべる人が多いに違いない。しかし、コーヒー豆に含まれるカフェイン量が1〜2%に対し、クロロゲン酸は5〜10%といわれる。
ポリフェノールとは、植物に含まれる色素成分で苦みや渋みの元にもなっている有機化合物のことで、体のサビを防ぐ抗酸化作用がある。チョコレートやココアのカカオポリフェノール、緑茶に含まれるカテキン、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、そばに多く含まれるルチンなどはよく知られている。
なかでも赤ワインには、アントシアニンをはじめタンニン、カテキン、レスベラトール、エラグ酸など多くのポリフェノールが存在するという。赤ワインをよく飲むフランス人に心疾患の死亡率が低いのは、このポリフェノールのおかげではないかと言わるほどだ。
コーヒー1杯に含まれるポリフェノールは約280mg。赤ワインと同程度で、緑茶の約2倍だ。コーヒーの独特の香りや苦みの元となっているクロロゲン酸は、ほかのポリフェノール同様、活性酸素による体の酸化を防いでいる。体に悪いわけはないのだ。
もちろん、覚醒作用・利尿作用があり、交感神経を刺激するカフェインの存在も忘れてはならない。その効能を有効に使うためには、朝の目覚め、会議の前などに飲んで、頭をすっきりさせてはどうだろうか。
ただし、カフェインの覚醒作用は8時間以上続くといわれている。過剰な摂取で眠れなくなった、胃が痛くなったということがないよう、1日5杯を目安に夕方以降は飲まないよう心がけたい。
(文=編集部)