上沼恵美子も「生牡蠣」にあたり死を覚悟!? 急性ウイルス性肝炎の恐怖

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 上沼が罹ったA型肝炎は、A型肝炎ウイルスに汚染された生水や魚介類を摂取することによって発症する。経口感染すると2~6週間後に症状が生じ、2~3ヶ月以内に治癒する。上沼も同じような経過をたどったはずだが、回復は早かったようだ。

 症状は、発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、関節痛など、風邪のような症状が約1週間続く。その後、黄疸が出て、尿が濃い黄色になり、灰白色の便を排泄する。ウイルスが肝細胞を破壊するため、血中のGOT(AST)とGPT(ALT)が上昇する。

 GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)とGPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)は、肝細胞の中でアミノ酸を作る酵素。肝細胞が破壊されると、血液中のGOT(AST)とGPT(ALT)の量が増えるため、その値を検査すれば肝炎ウイルスによる病態がつかめる。

 小児は感染しても発症しなかったり、軽症になるケースが多いが、高齢者ほど重症化しやすい。安静と栄養補給に気をつければ、ほとんど慢性化しない。だが、安静を怠ったり、過労が重なると、腎不全や劇症肝炎に移行する場合もあるので注意が必要だ。

 他のウイルス性肝炎についても説明しておこう。

B型肝炎は、性行為やピアス、タトゥーの注射針の使い回しから発症

 B型肝炎は、輸血、性行為、出産などによって感染する。以前は、出産時に母親の産道で赤ちゃんが感染する母子感染が多かったが、1986年から始まった出生時へのワクチンやγグロブリンの投与などの感染予防策が徹底し、激減している。主な感染ルートは、性行為やピアス、タトゥーなどの注射針の使い回しによる感染だ。発生するまで1ヶ月~半年の潜伏期間がある。

 症状は、発熱、吐き気、倦怠感など風邪のような症状が特徴だ。黄疸が出る場合もあるが、通常は2~3ヶ月から半年で治癒する。B型肝炎ウイルスに感染すると、血液中にHBs抗原が増加する。急性肝炎が治ると、血液中のHBs抗原は消失し、抗原を無毒化するHBs抗体ができて完治に向かう。

 出産時から小児期に感染していても発症しないキャリア(保因者)の人もある。成人のB型肝炎のほとんどは、一過性の急性肝炎だが、慢性化すれば、肝硬変、肝がんにつながり、重症化するケースもあるので、決して侮れない。

自覚症状が少ないC型肝炎は、肝硬変や肝がんに進む恐れがある

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