とても理にかなった、しかもわかりやすい原則だ。先人たちが培ってきたトレーニングの原理、原則に基づいており、私も一指導者として大いに共感できる。
だが、現在の「ファンクショナル」ブームは、その言葉に躍らされていないだろうか。前述した定義、雑誌やネットの情報だけで理解したつもりになっていないだろうか。
「ファンクショナル=機能的な身体=余計な筋肉をつけない動きやすい身体」という、いささか方向性が違う説明になっているものも散見する。
元来、筋肉は簡単に“つく”ものではない。何の目的や行動に対して機能的なのか。そんな根本的な部分でさえ、議論されていない気がする。動きだけを見よう見まねした、ただのモノマネになってしまう。
フィットネス情報のリテラシーをもつように
つまり、ファンクショナルトレーニング限らず、「○○トレーニング」がうたう効果も、情報を提供する際の説明不足によって、誤解された“知識の伝達”に陥ってしまっているケースは少なくない。
流行り廃りに左右され、基本(トレーニングの原理原則)をおろそかにした情報をうのみにせず、フィットネス情報のリテラシーをもつように心掛けてもらいたい。
健康やフィットネスにかかわるさまざまな情報があふれる現代だからこそ、健康づくりのプロフェッショナル、身近な指導者の存在価値がある。