自閉症状を改善させる「愛情ホルモン」! ヒトの“心理を操る”悪用も?

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 根本的な治療法は確立されていないASDは、周囲の理解と支援に頼っているのが実情だ。その点で、貴重な治療法の候補になる可能性が発見された功績は大きい。

 ただし、このオキシトシン、その実像は解明途上で、治療薬としての利用は薬事法で認可されていない。海外通販などで入手することはできるが、その目的は、もっぱら「発情を促す」「社交的になる」などの側面に向きがちだ。

 オキシトシンは、良好な対人関係が築かれているときに分泌される。闘争心や対人恐怖を和らげることは、かねてよりいわれてきた。その半面、相手への寛容度が増す、抵抗心が低下することから、相手を盲目的に信用してしまい、不利な金銭契約を結びやすくなるという実験データもある。つまり、相手に“丸め込まれてしまう”ということだ。

 医療現場では、子宮収縮薬や陣痛促進剤としても使われ、母親が母乳を出すときやスキンシップのときに分泌されるオキシトシン。「愛情」「包容」「幸せ」などを冠し、あたかも“魔法の媚薬”のように魅力的だ。しかし、裏を返せば、作為的な摂取や噴霧によって「ヒトの心理を操る」怖い力も秘めていることに注意しておきたい。
(文=編集部)

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