積極的な介護予防でフレイル対策を! Rawpixel/PIXTA(ピクスタ)
加齢に伴い、これまでできていたことができなくなったという話はよく聞く。度重なるもの忘れ、駅まで10分で歩いていたのに休み休みで20分かかるようになった、疲れやすくなり以前のように家事ができないなど――。
それが理由で、外出したり人と会ったりするのも億劫になり、家に閉じこもってしまうことも少なくない。こんな状態になってしまうと、家族も「もう歳だから……」と、さらに弱っていくのを見守るしかなかった。そして、その先には、入院や要支援・要介護の状態が待っているはずだった……。ところが!
元気な頃に戻れるのか?
これまで高齢者が陥る「虚弱」、あるいは「老衰」「衰弱」と思われていた状態について、日本老年医学会が「フレイル」という新たな言葉を提唱した。そして、この言葉を得たことにより、適切な介入によって「虚弱」や「老衰」から健康な状態に戻ることができるのだという。
英語のFrailtyを元につくった「フレイル」は、健康な状態から要介護状態へ向かう中間地点の段階のこと。要するに、ほうっておけば転がり落ちるように要介護へと転ずるが、しかるべき対応により健康になる可能性があるのだ。
アメリカのフレイルの評価方法は次の5つだ。
□体重が減った。
□歩く速度が遅くなった。
□握力が落ちた。
□疲れやすくなった。
□出かけなくなった。
このうち3項目にチェックがつけばフレイルといえるそうだ。ロコモティブシンドロームやサルコペニアなど身体機能の低下だけでなく、閉じこもりがちになった(社会的)、意欲や認知機能の低下(精神的)など、フレイルは多面性を持っている。
そして、この状態から抜け出すためには「適切な介入」や「適切な対応」が必要だ。ところが、2015年の介護保険改正により「要支援1・2」については自治体が取り組む「地域支援事業」となった。
当然、自治体によって温度差が出ることは否めない。フレイルはこの「要支援1・2」の段階なので、地域の取り組みをただ黙って待っていては、待っているうちに要介護状態になってしまうかもしれない!
そこで、人任せにせず自らフレイルから抜け出す努力をすべきだろう。その方法とは?