男らしさ/女らしさの違いは何から生まれる?shutterstock.com
子どもは風の子! 元気な子どもほど、親を元気づけるものはない。産まれるや否や、這(は)えば立て、立てば歩めと心がはやる。スクスク育てば、夫婦の仲をとりもつ鎹(かすがい)になる。「三界の首枷(くびかせ)」と心配のタネにもなる。親は「焼け野の雉夜(きぎすよる)の鶴」とハラハラさせられる。「子の心親知らず」と無念も噛みしめなければならない。ともあれ、古今東西、子どもの成長は、親の生きがい、得がたい喜びであることに変わりはない。
子どもでなかった大人はいない。だが、自分が子どもの時に、そのすごさをイメージすることなど思いもよらないことだ。親になり、子どもの成長を目の当たりにしてはじめて気づく。「子どもは、すごい!」と。
シリーズ「子どもの心と体の不思議のサイエンス!」は、「大人と子ども、なぜどこがどう違うの?」という素朴な出発点に立ち、知っているようで知らない、分かっているようで分からない、子どもの心と体の不思議をひも解こうと思う。今回は、「男らしさ、女らしさは生まれつきなの?」をテーマに話そう。なお、このシリーズでは、生後約1ヶ月までを新生児、1年未満を乳児、小学校就学までを幼児と呼ぶ。
男女差は子どもの行動や性格に影響を及ぼしているのか?
性は2種類ある。男と女という生物学的な性差(セックス)と、男らしさと女らしさという社会的・文化的な性差(ジェンダー)だ。生まれつきの男女差と育て方・育ち方の差と言ってもいい。
女の子はお人形さんが好きで、男の子は自動車が好きだ。これは親の子ども育て方の結果と考えられてきた。たが、最近の小児科学の研究によれば、生まれつきの男女差は、子どもの行動や性格に影響を与えることが分かってきた。